第一章6 《ザル蕎麦の代金は当然に!》

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ったくよぉ……自分の夜ご飯くらい自分で選べよな。何でっ……俺が四夜の好みにウンウン頭を捻らせなきゃならんのだ」



 それもこれも全てはババ抜きに負けたせい。


 何とも見本の様な自業自得だ。



「やらなきゃ良かったと、今更後悔しても遅いな。えっと……日本っぽい物が食いたいんだっけ?」



 蕎麦とか良さそうだな等と考えながらウンウンと頭脳をフル回転させる。



「ここは無難にお握りって手も……。でも夜ご飯にお握りオンリーは無いよな。あ、良く見たらお稲荷さんも有るじゃないか」



 結局悩んだ挙げ句に何を選らんだかと言えば、ザル蕎麦を二つとぶっかけうどんを自分用に一つ。


 それと近くに置いてあったインスタントのお味噌汁を一つずつ選ぶと、後はドリンクコーナーから『よーいお茶』を念入りに奥から一本だけ引き抜いてレジに向かった。


 何故奥から引き抜いたかと言えば、それは比較的多くの人が触っておらず、更に冷えているからだ。



「お買い上げ有り難うございまーす。合計1340円になります。お箸はなんぜんお付けしますか?」


「三ぜんお願いします。後、支払いはペイで………って。そうじゃん、無いんじゃん」



 普通にポケットに右手を突っ込み、スマホを探した所でやっと思い出す。


 何度繰り返したら、この時代にスマホや、そう言った物が無い事に慣れるのだろうか?



「お客様?如何されやした?」


「いえ、何でも無いです。今出します」



 俺は慌てて先生に渡された2000円札を渡すと、預かっていたガマ口に所持金からお茶代110円とお釣を入れておく。


 会計を済ませた俺は無責任にも夕食の選定を俺に押し付けた張本人、四夜よつや 一期いちごを探す。



「おーい、四夜~。何処にいるんだ……って雑誌か。」



 四夜はちょうど雑誌ゾーンにいた。

 開いているのは……スポーツ誌の様だった。



「ねえこれみて。期待の新人ランナー水城みずき 梓橋あずさ選手が選手生命を喪失……だって。」



 そこに写っていたのはスタイル抜群、容姿端麗で水色の髪が特徴的な高校生マラソン選手の美少女だった。



「東京の私立高に在学中の水城みずき 梓橋あずさ選手は、部活動の最中に発生した事故により、左足首を複雑骨折。………二度と競技マラソンに出場する事は出来ないだろう、だって。可哀想……」


「俺らと同じ位の年だよな?見た目からして」


「18歳って書いてあるから一学年上でしょ。でも、こんな事ってあるのね……」


「確かに酷い話だな。でも運動部の活動ってケガが付き物だろ?仕方がないんじゃないか?」


「うーん……そうねぇ。それより何を買ったのよ!見せて見せて!」


「大丈夫だ。四夜に処される様な物は買ってない。みて良いから先に店を出るぞ」



 買い物を済ませた俺達はエイトイレブンを後にした。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


[後書き]


 ここまで読んで下さった読者の方々に先ずは感謝を伝えさせて下さい。


 本当に有り難うございます。


 ここがおかしかった、面白く無かった、分かり辛かった言う箇所がありましたら(絶対にある)コメントで教えて下さい( ノ;_ _)ノ


 修正して作品のクオリティ向上に努めて行きます。



 はて?『エイトイレブン』とか『よーいお茶』って何の事でしょうね。


 お…俺にはさっぱりですよ

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る