65時限目【劇場版デビレンジャー〜最強の漢達〜】
『フィルター?』
『……はい』
『解除は出来そうなのか?』
『少しお時間は必要かと』
『あまり悠長にはしてられんぞ?』
『それは承知の上です、こちらも手は打っておりますので』
『ふん、それは儂らがくれてやったモノだろ』
『それでは失礼いたします。これから忙しくなりますので』
☆☆☆☆☆
魔界の平和は、俺達が守る!
魔界戦隊! デビレンジャー!
チュドォォーーーーーン!
チャカチャカチャッ! チャカチャカチャッ!
♪〜
今夜も魔界に真っ赤な月が昇るのは〜
5人の漢とプラスαがいるからさ〜
♪〜
◆◆◆◆◆
ここは天の川モール内の映画館。
ガチデビレンファンのロリエル、見習いファンのマナエルの2人は最前列で巨大なスクリーンを見上げて瞳を輝かせる!
今回はデビ友となった2人を神の視点で追っていくぞ! とうっ!!!!
◆◆◆◆◆
とにかくオープニングから全開だ。
『グエェッヘッへ〜、貴様達デビレンジャーも今度こそはおしまいだ〜! 何故なら気付いてしまったからだ! お前達が格好付けて変身するのを今までは黙って見ていたが、それは辞めだ〜! 行け! 戦闘員達よ! 変身する前にやってしまうのだ!』
見るからに悪役な怪物はそう言って戦闘員達をデビレンジャーの5人にけしかけた。
「くっ!? 何て卑劣なっ! これでは格好付けられないっ! つまり変身不能だっ! とう!」
リーダーのデビワインレッドはワイン片手に戦闘員を蹴散らす!
「ひゃー! 何人いるんだー!? 倒しても倒してもキリがないぞー! 楽屋に爆弾を投げる前に襲ってくるとは卑怯なー!」(棒読み)
台詞棒読みのデビモスグリーンは複数の戦闘員に囲まれてしまう。その話口調がマナエルのお気に入りのようだ。というか、楽屋に爆弾を投げるような奴が言うセリフではないと思うのだが、
それを見た巨漢、デビベージュが突撃で間に割って入った。
「大丈夫でごわすか! はぁっはぁっ! ぜぇぜぇ、げは、はぁっ」
その一瞬で息を切らすデビベージュ。
「た、助かったー! しかしこのままだとー」(棒読み)
「ひゅーっ、はぁっ、はぁ」
その後方ではデビシクラメンピンクとデビパープルが戦闘員と激しい攻防を繰り広げている!
「ちょ、ちょっとやだ〜! コイツらの目線がさっきから妙にいやらしいんだけど〜?」
スイカでもぶら下げているかのような、超絶級のソレを揺らしながら敵の攻撃を華麗にかわすデビシクラメンピンクの揺れに合わせて戦闘員の目線が泳ぐ。もはやコントである。
当然、ロリエル含む劇場の子供達の視線も泳ぐ。
「変身が出来なければ……フラッシュも放てない……! 今の俺はただの眉毛が濃いだけの漢……! いや男でしかないっ! 何か策は……」
(そ、そんなことないよパープル! 貴方は立派な漢よ! 諦めないで!)
やはり変身が出来なければ必殺技も放てないようである。
絶体絶命のピンチを迎えたデビレンジャーだが、そこにお決まりのプラスαが現れる!
全身虹色の変身済みの助っ人はデビレンジャーを囲む戦闘員達を蹴散らし強力な虹色レーザーで時間を稼ぐ。
「デビレンジャー! この技は凄そうに見えるが実は見た目だけだ! ダメージが一切ないことが奴らにバレる前に早く変身を!」
「虹色タイツ仮面! わ、分かった、そのこけおどしに、いや、ただのくだらない目眩しに感謝する! 皆んな、変身だ!」
「「おう!」」
リーダーデビワインレッドの号令で定位置についた5人の漢達は、いや、女も混ざってはいるが、——バッチリ格好付けながらの変身に成功した。
変身した5人は虹色タイツ仮面と並び敵の親玉に狙いを定める!
「デビルワインスパークリング!!!!」
デビワインレッドの必殺が炸裂!
スパークリングワインを振りまくり勢いよく放出する拡散レーザーっぽい必殺技だ!
「毒モス爆弾〜! 目にワインが入って見えないうちに投げ込んでやるぞー」(棒読み)
混乱した戦闘員達に向け容赦なく毒爆弾を投げるのなんの、戦闘員達は毒に侵されパタパタと倒れていく! なんて奴だ!
更に、
「ベージュストライクーー!!!!」
巨大な球になったデビベージュがもがき苦しむ戦闘員をまるでボーリングのピンのように弾き飛ばしていく! 取りこぼした戦闘員が振り返ると、
「エーーンドレス、ボインラーッシュ!!」
これは強烈だ! スイカクラスの巨乳から繰り出される往復ビンタが戦闘員を文字通り天国へ送る!
しかし奴等もプロだ。弱りきった戦闘員達がまとめて決死の攻撃を仕掛けてくる。
「ふっ、眉毛と化し散れぃ! 悪魔ゆフラッシュ!」ビカァッ!!
戦闘員達が全員眉毛と化し、言葉通り散った!
ついには戦闘員も全滅して残りは完全に親玉だけとなった!
デビワインレッド、デビモスグリーン、デビベージュ、デビシクラメンピンク、デビパープル!
5人が一か所に集まり巨大なバズーカ砲を構える!バズーカ砲の上にスイカが乗っかってしまっているがそれはスルーで。
「トドメだ! 虹色の弾丸、レインボーフィナーレ!」
バズーカ砲に装填された虹色タイツ仮面を親玉めがけ撃ち込む!
虹色タイツ仮面は見事に親玉に直撃!
派手な大爆発を起こし完全勝利を収めた!
5人の漢達は勝利のポーズを決める!
「「俺達が最強の漢達だっ!」」
☆☆☆☆☆
館内には子供達の歓声が沸き起こっている。
こうして無事に敵をやっつけたデビレンジャーであった。
——
余韻に浸りながら帰り道にランチまで一緒に食べた2人の○○エル達の絆が深まった1日だった。
やはり、今日も空には雲一つない。
分かれ道でまた明日とそれぞれの帰路につく。
帰り道も終始ご機嫌なロリエルでしたとさ。
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