50時限目【○○エル喫茶開店】
◆◆◆◆◆
文化祭まであと少し!
○○エル達は皆で協力し準備に勤んでいる。
ガブリエル邸では、各々のメイド服の採寸が行われていた!
今回はそんな天使達の姿を神の視点から覗いてみるぞ! レッツ○○エル!(謎テンション)
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こちらガブリエル邸。
1組の○○エル達はメイド服製作の為採寸を行なっている。勿論、測るのはサキエルだ。
暫くすると、採寸と言う名のセクハラ部屋からやつれ切ったシャムシエルが出てきた。
「シャ、シャムシエルちゃん? 大丈夫〜?」
次はモコエルの番である。モコエルは不安で仕方ないようだが、大丈夫であろうか?
「測られちゃった。隅から隅まで……うぅ、お嫁に行けないよ……しゅん……」
シャムシエルの魂は完全に抜けている。
いったいあの部屋の中で何が起きているのだろうか。安易に想像は出来るが、その部屋にモコエルが呼ばれた。
「ひっ……」
☆☆☆☆☆
数分後。
「あれ? モコエルちゃんどうしたんすか? 顔色悪いっすよ?」ぴょこぴょこ
「えっ、そぉかな〜? な、何でもないよ〜?」
明らかにいじり倒されたであろうモコエルはリビングのソファに倒れ込んだ。
(マールちゃん達、何で平気なんだろ……)
そんな彼女の心の声に気付くこともないマールはとても楽しそうに笑う。
しかし、モコエルの姿を見てクロエルとロリエルは震えて部屋の隅に身を隠す。だが、健闘むなしく2人も部屋へ送り込まれてしまうのだった。
☆☆☆☆☆
数分後、サキエル気絶。
何が起きたか、それは想像にお任せしよう。
何はともあれ、
数人を除いてほぼ全員が魂の抜け殻と化したが、何とか採寸が終わりガブリエル邸の執事とメイド達の出番がきた!
「採寸が終わったから早く作るの〜! デザインはこれなの〜!」
ガブリエル2世はマトリエルと双子姉妹が作ったデザイン画をメイド達に配る。
一人一人デザインが違う。これを突貫で作れというのだから、執事達も大変である。
その夜、ガブリエル邸の灯りが消える事はなかった。
☆☆☆☆☆
そして文化祭当日がやって来た。
グラウンドには屋台やフリマなど様々な出し物が所狭しと並び朝から活気に満ち溢れている。他校の生徒達もちらほらやって来たようだ。
そんな中、1組の○○エル達はお着替えタイムに入っていた。
それぞれ特注のメイド服に袖を通していく。
デザインにサキエルが絡んでいるだけあってかなり際どい出来になっている。
胸元はセクシー? に、背中もバッチリ出しちゃう! 羽根が丸見えで少しばかり恥ずかしいのか○○エル達は落ち着かない様子だ。
「あ、あの〜これ、サイズ間違えてませんか〜? スカートの丈が明らかにおかしいんですけど〜?」
確かにモコエル仕様のメイド服は他より特に過激デザインのようだ。しかし、モコエルは何を着ても似合ってしまう。
「そういえば、サキエルは着替えないのか?」
メイド服姿のカマエルが言った。カマエル、メイド服は動きにくいからとあまり乗り気ではなかったが仕方なく着たみたいだ。
褐色メイド、あまり見ない組み合わせである。
「私はほら、マネージャーみたいなもんだし〜? 皆んなが可愛けりゃそれでい——」
「そうはいかないの〜! サキエルの分も用意したから着るの〜!」
「え! いつの間にっ!? わ、私はいいって……あれ? 皆んな?」
1組の○○エル達がサキエルを取り囲み不敵な笑みを浮かべる。
「へ?」
——
抵抗虚しく着せ替えられたサキエルは恥ずかしそうにバックヤードから顔を出した。
「サキエルちゃん、そんな所にいないで出て来るっす!」
「う、はい……」
姿を見せたサキエルを見た一同は固まる。
可愛いのだ。誰がどう見ても、そこにいるメイドは可愛い。
そう、サキエル。いつも寝癖も直さずだらしない格好をしているイメージだが、可愛いメイド服に身を包み髪も綺麗に整えると、見違えるような美少女に大変身を遂げたのである。
教室中が騒がしくなりサキエルは○○エル達にいじり倒されてしまうのだった。
「お、そろそろ開店準備に入んないと! 他校の男子達を一網打尽にするぞー!」
眼鏡っ娘メイドマトリエルが言うと、クラスの○○エルメイド達は頷き各々のポジションへと向かう。ゼルエルは廊下で呼び込みを担当する事に。呼び込みとしては破壊力抜群である。
何せ、中学生離れしたグランドキャニオンをお持ちだから。
「サキエルちゃんっ! おいしくなーれってちゃんとするっすよ?」ぴょこぴょこ
「は、はい〜……」
(恥ずかしいなぁ……)
「ふふっ、サキエルちゃん。深呼吸深呼吸〜、一緒に頑張ろうね〜?」キラキラ!
「おぉ、天使がいる! いや天使か! モコちゅあぁんっ!」
金色の双子姉妹ラミエルレミエルがちょこまかと厨房を走り回る。金髪ロングのメイド服姿が良く似合っている。因みに教室中の装飾や廊下の看板なども2人が製作してくれたのだ。
流石は美術部、今回も地味に大活躍だ。
ロリエルは勿論厨房の担当である。
教室の隅を仕切り一角を厨房にしたのである。冷蔵庫などの備品はガブリエル邸から運び込まれた。
白きメイド天使ロリエルはカマエル、アラエルと共に下準備を始める。運び役は双子姉妹だ。
ホールを担当するのはマール、ガブリエル2世、クロエル、モコエルとサキエル、そしてシャムシエル。
外でゼルエルの呼び込みを手伝っているのはマトリエルとアルミサエルである。
「ローリーズカフェあまじょ支店へようこそ!」
マトリエルが呼び込みを始める。それを見てアラエルも通りかかる訪問者に声をかける。
「良かったら立ち寄っていかないか? あ、行きませんか? ん? これで良かったのか? ん?」
(メイドさんだからな、口調に気を付けないとな)
「そこの2人? ちょっと寄ってかないかしら?」
「っぜ、是非ともっ」
ゼルエルが他校の男子達に声をかけるといとも簡単に呼び込みが成功する。全く、男という生き物は単純である。
すると店内に客が次々と流れ込んでくる訳で、思った以上の反響に戸惑いながらも1組の○○エルメイド達の接客が始まるのであった。
サキエルはちゃんと、美味しくなーれをこなせるのか。それは次回に持ち越しだ。
☆☆☆☆☆
一方、その頃フォルネウスは校庭をブラついていた。文化祭の主役はあくまで生徒達。
先生達は監視役でしかない。
グラウンドから教室の方を見るフォルネウス。そんなフォルネウスに声をかける女性がいた。
「クラスが気になるか? フォルネウスよ」
「あ、メタトロン先生」
(何だ幼女か)
「し、失礼な奴だの!」
「ん?」
白衣の幼女は顔を赤くして膨れた。
「アイツらのことだからそれなりに上手いことやるだろ。それより俺は、屋台の物色を」
最近まともに食べれていないフォルネウスの目的は腹ごしらえである。
「仕方ない奴だの。どれ、空腹の仔犬に何か奢ってやるとするか」
「マヂっすか!? 幼女天使様っ!」
「な、何が幼女だっ! も、持ち上げるでないわっ!」
喜びのあまりメタトロンをヒョイっと持ち上げ屋台へと走るフォルネウスだった。
◆◆◆◆◆
ロリトロン先生、おっと、メタトロン先生を持ち上げ屋台巡りを始めたフォルネウス。
その間も1組の教室内は大忙し。○○エル喫茶は大繁盛の様子だ。次回はそんな天使達を、再び神の視点で覗いていくぞ!
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