46時限目【悪魔と天使のデート】

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 本日は日曜日。

 無事に体育祭で勝利を収めたフォルネウスは、約束通りサハクィエルと2人でデートと洒落込む。

 フォルネウスの寮に迎えに来たサハクィエルは余所行きの洋服に身を包み頬を赤らめ微笑んだ!

 その笑顔を見るだけで、眠気など吹き飛んでしまったフォルネウス。クスクスと笑うサハクィエルは左手にバスケットのような鞄を下げていた!

 まさか、弁当かぁぁーー!?

 ◆◆◆◆◆




 急いで支度をして寮を出た俺達は、いそいそと校庭をあとにする。見つかりたくないし、街の転送装置を利用する事にした。


 そういやこの装置使うの初めてだな。


 俺は少しばかり緊張しながら転送装置に触れた。水晶のような綺麗な球体に手を触れ行き先を選ぶと移動出来るという画期的なシステムである。


 


 転送装置を使い俺達が移動した場所、それはサハクィエル先生の希望にもあったラミール大公園である。


 ラミール大公園。

 天界一の大公園だけあってかなり広い。一度入ってしまえば見渡す限りの大自然で、野生の鳥達や動物も生息している。魔界ではここまで綺麗な公園は中々拝めないのもあり、正直、驚きを隠せないでいた。


 それを見て小さく微笑むサハクィエル先生はその白くて細い、綺麗な手のひらで俺の手を握った。


「サ、サハクィエル……せんせ?」


「さ、行きましょうフォルネウス先生! 私、この公園の中央部にある御神木が見たくて! とても人気のパワースポットなんですよ?」


 今日のサハクィエル先生は何時もに増して積極的である。俺の手を引き広がる大自然を満喫する天使の笑顔は息をのむほど美しい。

 エメラルドグリーンの綺麗な髪と木々の緑が絶妙なコントラストを醸し出し、まるでサハクィエル先生が自然の一部なのではないかと思わされる。


 そして天まで伸びるような御神木の元で俺達は休憩を取ることにした。サハクィエル先生は持っていたバスケットのような鞄を開け、そこから何かを取り出した。


 お、お弁当だ!!


 サハクィエル先生は頬を赤らめ、恥ずかしそうに身をよじりながら言った。


「フォルネウス先生? お弁当を作って来たんですけど、食べていただけますか?」


「も、もも勿論っですよ!」


 心底嬉しい。恐らく、今俺の目は輝いている。

 サハクィエル先生はクスッと笑いお弁当の蓋を開けた。

 そこにはサンドイッチが。色鮮やかな野菜や卵が挟まれている。間違い無くこれは美味しいやつだ!

 サハクィエル先生は今にも手が出そうな俺にお手拭きを手渡した。


「い、いただきますっ! はむっ」


 う、美味いぃぃっ!!


「サハクィエル先生っ! めちゃくちゃ美味いっす! はむはむっ!」


「良かったです、お口に合ったみたいで。私、得意なんですよ? 挟むの! ふふっ!」


「は、挟……あ、いやサンドイッチですもんね! でもやっぱりサハクィエル先生の料理はいつ食べても美味しい!」


 いかんいかん! 一瞬、良からぬ方向に思考が傾きそうだったぞ……


「あまり急いで食べると喉を詰まらせ……」


「うぐっ!?」


「あ、ほら……ゆっくり食べないと、はい、お茶ですよ〜」


 俺はお茶を一気に飲み干した。

 そんな至福のお昼を済ませた俺は、御神木の元を後にした。


 その後も大自然に触れ、無垢な動物達に癒されラミール大公園を余すことなく堪能した俺達は、次の目的地へ向かうことにした。


 次の目的地、

 それはこのラミール大公園から徒歩で向かえる位置にある天界一のタワー、ルミナタワーである。

 

 夜景が見たいとサハクィエル先生が言っていたので前日にチケットを購入していた俺は、そのチケットをサハクィエル先生に手渡した。

 サハクィエル先生は覚えていてくれた事が嬉しかったようで、目が眩むほどの眩しい笑顔で喜んでくれた。俺は、その笑顔だけで、もう満足ですよ。

 勿論チケットは近くのコンビニで買った。


「さ、行きましょう! サハクィエル先生!」


 今度は俺から彼女の手を握る。サハクィエル先生はそれをしっかりと握り返した。


 ◆◆◆◆◆

 おいおいフォルネウスよ!

 ラブラブ過ぎではないかーー!?

 次回! 2人のデートはまだまだ続く!

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