43時限目【激突!かめさんチームvsうさぎさんチーム!】
◆◆◆◆◆
遂にやって来た体育祭当日!
しっかりと整備されたグラウンドの保護者席には朝早くから場所取りに駆り出された正天翔達の姿が見える!
その中でも昨日の夜中から並ばされていたガブリエル邸の執事は特等席を確保していた!
ガブリエル邸の執事……恐るべし! 今日はお嬢様の晴れ舞台ということでメイド達も応援に駆り出されかなりの大所帯である。
それはさておき、遂に開幕!!
◆◆◆◆◆
教室では体操服姿の○○エル達が緊張した面持ちで時間を待つ。少し心配だったマールも今日は元気に登校してくれたようだ。
恐らく連日の疲れが出ていたのだろう。
さて、そろそろ入場だな。
俺を先頭に1年1組の天使達はグラウンドの入場門へ向かう。既に戦闘モードの○○エル達は入場前から睨み合い、これから始まる激闘を容易に想像させる。女の戦い、こえーな、おい。
天使達の血の気の多さに正直驚いている俺だが、その点では負けていない。黒マッチョことタブリスと睨み合い火花を散らす。
「若造、覚悟は出来ているか?」
無駄に白い歯を光らせやがるぜ……しかし、この圧、半端じゃねぇ! しかし、
「そっちこそ、俺が勝ったらサハクィエル先生から手を引けよ?」
ここは悪魔の眼光で跳ね返す!
「はっはっはー! いい面構えだ! 漢の約束だ。だが、お前が負けた時は……その時は分かっているな? せいぜい最期の1日を楽しみな! はっはっはっはー!」
タブリスはその黒光る肉体から鼓膜が超振動を起こしてしまいそうな程の馬鹿でかい声で笑い、俺の背中を一発叩きやがった。
身体に凄まじいまでの電撃が走る。
「くはぁっ!?」
相変わらずの馬鹿力っ……!!
俺が痛みに悶えていると、入場のファンファーレが鳴り響いた。入場は1年からである。
つまりトップバッターは1組である俺のクラスだ。準備しないとな。
「よし、皆んな。後はやれるだけのことをやるだけだ! 行くぜっ!」
俺の掛け声に対し元気に応える○○エル達。クラスの結束力はこの上ない程固まっているようである。正直驚いた。このクラスはイロモノ揃いでここまでクラス一丸となってくれるとは思っていなかった。彼女達がここまで頑張って汗を流しているのを見ると、まだ始まってもいないのに少しばかり目頭が熱くなる。これが、教師ってやつか!
そして、ついに入場が始まった。
1年から入場し、最後に3年生が入場する。やはり3年生達は最期の体育祭なのもあり、かなり気合いが入っていると見える。
オーラがもはや天使ではない。
保護者席は満席を通り越して立ち見をする他校の生徒達も見え始める。凄い人気だ。
そして全ての○○エル達が入場し選手宣誓を3年生の天使が声高らかに宣言する。
照りつける日射しの下、お決まりの校長先生の挨拶が長々と続く。巨漢を震わせながら長話を終えた校長は、乗っかるヅラと腹身を震わせ宣言する。
「これより第1372回、天の川中等女子学院の体育祭を開催しますわぁ〜!」
グラウンドに観客達の歓声が上がる。
「皆んな始まるっす! と、とにかく頑張るっすよ!」
クラスのメンバー達は頷きそれぞれ声をかけ合う。そして最初の競技、100メートル走で闘いの火蓋が切って落とされた。
○○エル達が走る、走る! 飛ばずに走るっ! そして転ぶ!
体力のないシャムシエルも最後まで頑張って走った。こりゃ初めから目が離せないな。
そんな中、マールを筆頭にカマエル、アルミサエル、アラエルは断トツの速さでぶっち切りの走りを見せた。さすがだな。
そこで会場を沸かせたのは意外と走ると速いガブリエル2世とロリエルのちびっ子達で、こちらも見事に一等でゴールする。観客達はその愛らしさに沸き更にヒートアップする。
とりあえず、滑り出しは好調である。
そのあとも障害物競争で上手く立ち回ったマトリエルやラミエルレミエル姉妹、球投げに貢献するサキエルとゼルエル。更に、
「ん〜っ! もう、一息っ!」
「ま、負けたくないんですがぁっ!」プルプル!
綱引きで思った以上の力を発揮するモコエルにクロエル。クロエルの振動数が半端なく高まっているぞ。クラス全員でガンガン得点を稼いでいく。
しかし、うさぎさんチームも負けてはいない。
そして両チーム一歩も譲らずで昼休憩を挟むことになった。
ガブリエル2世は今日も見に来てくれた大天使ガブリエルに飛びつき昼食を食べる。マールもそこで一緒に食べているようだな。
それぞれが保護者の元で気合いの入った弁当に舌鼓をうち暫く休憩するのだった。
そして運命の後半戦が始まる。
後半戦、第一の競技は、
そう、大縄跳びである。大縄跳びを制する者が体育祭を制する。ここが正念場だ!
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