37時限目【怒涛の2学期スタート】

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 夏休みも終わり、遂に2学期が始まろうとしていた。フォルネウスは祭の夜のことを気にしているが、どうやらそんな暇はなさそうだぞ!

 気合いを入れろ、フォルネウス!

 2学期は更にヒートアップするのだから!

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 祭りの夜から3日が経過し遂に2学期が始まってしまった。また保健室通いの日々が始まるわけだ。


 長い休みが終わり再び制服に身を通す○○エル達の表情は物憂い気だるさで満ちている。

 しかし教室に集まると久方ぶりの友達なんかもいたりして、夏休みの思い出話で盛り上がり狭い教室は小鳥を詰め込んだ鳥かごのようにざわつき始めた。


 朝のホームルームを終えると、教室は野に放たれた家畜達が自由を謳歌するように、更に騒がしくなる。


「ロリエルちゃん、見たっすか? 夏休み最終日のデビレン夏のスペシャル1時間放送!」


「勿論っ! ほんと痺れた! 録画して3回は見たよ、デビレンジャーグミを食べながら! あれ程至福の時はないよぉ!」


 デビレンジャー話になると興奮を抑えきれないロリエルは嬉々として語り始めた。こうなると少しばかり長い。ガブリエル2世はその大きく垂れた赤い瞳でそんな2人を見つめ、少し神妙な表情を浮かべる。



 ——

 2学期には行事も沢山ある。

 例えば授業参観と三者面談、体育祭に文化祭。部活では毎年全国大会に出場している剣道部の大会もある。1年生でありながらアルミサエルは個人で出場が決まっている。


 冬にはクラス別合唱コンクールなるイベントまであり、かなり忙しい4ヶ月間になりそうである。


 そしてその授業参観だが、早くも1週間後に迫っているのだ。

 そこで気になるのはやはりガブリエルである。


 ガブリエル2世は、あの大天使ガブリエルの愛娘である。その日は神事をおいても見にくると既に学校に連絡が入っているのだ。


 あの大天使ガブリエルが降臨するとなって校長をはじめ先生達は落ち着かない様子である。その中でも最も心が波打ち騒ぎ落ち着かないのは勿論、担任であるこの俺だ。


 三者面談……三者面談……三者……


 四大天使ガブリエル、更に七大神官ライナス、そして俺、悪魔。


 いやいやこれはマズいだろ、それにあの2世まで付いてくるとなりゃ、カオスだ!


 頭の中はそのことでいっぱいで、今にもパンクしてしまいそうだ。横の席のサハクィエル先生はそれを察してか心配そうに見つめくる。


 そんな思考を巡らせていると、奥から俺の名を呼ぶ声がした。校長である。


 校長は手招きで俺を校長室へと招き、とりあえず座りなさいと立派なソファに腰掛けた。


 俺は言われた通り校長と対面で座り何の用かと問いかけた。校長の身体は俺の軽く3倍はある巨漢で、スーツのボタンはいつも悲鳴をあげている。

 そして、

 何処をどう見てもカツラの校長は乗っかる髪の毛を終始気にかけながら口を開いた。


「フォルネウス先生、わかっているとは思うのよ?今週末、大天使ガブリエルが降臨するわ。そして貴方は彼女と面談をしなくてはいけないの。まず、迷惑がない事は大前提で2世ちゃんが噛み付きまくっている事は出来るだけ伏せる事。こんな機会は滅多にないわ、これを幸運と思ってぶち当たりなさい? お、と、こなら、ね?」


 おかま口調でズラの校長はそう撃を入れて俺の落ちる肩をポンポンと叩く。

 キャラ濃すぎてもう……


 校長は立ち上がり窓から校舎の外を見る。


「あ、後ね、もうひとつ。今回、マールエルちゃんのご両親は来れないとの事なの。残念だけど、彼女の事、良く見ていてあ、げ、て、ね? それじゃあ話はそれだけよ?

 あまり気に負わないで、他の皆んなでフォローを入れるから、頑張るのよ? 貴方には期待しているのだから」


 そう言って投げキッスを飛ばされたがそれを何とか避け校長室を後にした俺はデスクに戻って資料に目を通す。


 何度見ても、ため息しか出ない。


 ◆◆◆◆◆

 次回! 大天使ガブリエルが降臨!?

 フォルネウスは無事に三者面談を乗り越えることが出来るのか!!

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