29時限目【続・妹乱舞っす】
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クロエルの妹達を連れ、天民プールへやって来た天使部一行。しかし、元気過ぎる妹達に振り回され、それぞれ戦力を割かれてしまった!
子供達の面倒を見るのも楽じゃない。天使部の部員達よ、身をもってそれを体感するがいい!
今回は神の視点で悪戦苦闘する天使達を追っていくとしよう。
◆◆◆◆◆
暴走するクラエルを追うロリエルとモコエルは、プカプカと流れる四女を発見した。
何とか追いつき確保したかに見えたが、再びモコエルの胸にバウンドして次は大型プールの方へ飛んで行ってしまった。
「ピッピーッそこの子、飛ぶのは禁止だよ!」
プール監視員の言葉など聞くはずもなく。
「ちょ……モコエルちゃん、何でバウンドさせるのっ!?」
「わ、わざとじゃないよ〜、それよりも追いかけないとって、あ、あ〜れ〜?」
モコエルは立派な双丘の浮力で浮きながら、人混みに呑まれるように流れていく。
モコエル、脱落!!!!
「あ、モコエルちゃんっ? そ、そんな……流れて行っちゃった……モコエルちゃん……」
(貴女の死は無駄にはしないわ……!)
ロリエルは涙を飲んで、飛んで行ってしまったクラエルを追うことにした。
大型プールを捜すこと数分、やっと見つけた四女を捕獲せんと飛び込むロリエル。
「ピピー! そこの白い子! 飛び込み禁止だよ!」
しっかりと注意を受けたロリエルは、ペコペコと頭を下げ振り返る。しかし、既に視界から四女は消えていた。
「そんなぁ〜……」
——
一方、マール達は。
バッシャァーーーーン!
「キャハハハッ楽しいっお姉ちゃんっ、もっかい行こうっ? ほら早くっ!」
これでかれこれ何度目だろうか。マールとクロエルのお尻はそろそろ悲鳴をあげはじめているのだが、そんなことはお構いなしの妹達はひたすら同じ遊びを繰り返すのだった。
永遠に続く、エンドレススライダー摩擦により、疲労困憊の2人は、手を引かれ再び階段を登り始めるのだった。
「も、もうお尻が限界っす……」
——
その頃ガブリエル2世は平和に子供用プールで遊んでいた。
「まったりなの〜、ガブは泳ぐのが得意じゃないから丁度良いの〜」
ガブリエルの頭には赤ちゃん天使の姿。完全に懐いているようだ。ガブリエルもまんざらではない様子で、機嫌も良い。
「お前、頭から降りて来いなの。ここは浅いから、チャプチャプするといいの〜」
ガブリエルの言葉を理解したのか、小さな天使はお尻を水につける。そして驚いたのか、目を丸くしてガブリエルの横腹を摘まんだ。
「なのっ!? へんなとこら摘むななの〜! く、くすぐったいの〜」
——
そして、血眼で必死にクラエルを追っていたロリエルだが……
力尽きて浮いているところをマール達に救出される始末。1人流れていったモコエルも何とか合流し、暴走するクラエルを皆で捕獲、その後、昼食をとりフラフラの状態で帰路につくのであった。
☆☆☆☆☆
結局、殆ど妹達の面倒で1日を終えた天使部一行。
帰り道、遊び疲れて眠ってしまった妹達を見て、天使部のメンバーはほんの少しだけ大人になれた気がするのであった。
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○○エル達よ、夏休みは始まったばかり!
ヘタっている場合じゃないぞ。
遊んで遊んで、遊びまくるのだ!!
それは今しか出来ないことなのだから。
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