16時限目【low Leeds caféへようこそ】
◆◆◆◆◆
ついにロリエルの心を掴んだ天使部。
フォルネウスは意気投合し、楽しげに話す彼女達を見て、胸を撫で下ろすのであった。
◆◆◆◆◆
放課後、俺は気分が良かった。
何故なら、天使部の部室がロリエルの営むカフェに移動したからだ。
というか、それで部活として成り立つのか?
まぁ、元々それと言った活動はしていないが。
寮の部屋のドアを開ける。すると、
いるじゃんっ! どゆ事?
「あ〜、フォルネウスやっと来たの〜!」
「あ、先生! 来たっすね! さ、行くっすよ!」
行くって何処にだよ?
「新しい部室に行くの〜、顧問のフォルネウスも勿論一緒に来るの〜!」
な、んだとぉっ!?
☆☆☆☆☆
ぴゅーっ
抵抗虚しく拉致された俺は5人の天使を引率しロリエルの営むカフェ、
low Leeds caféへやって来た。
店の中は教室より少し狭いが綺麗に掃除されていてお洒落なインテリアが中々良い雰囲気を醸し出している。
6人掛けのテーブルに案内された俺と4人の天使達はそれぞれ適当な席に腰掛ける。
ロリエルは少し待っていてと告げ、奥の部屋へ。
待つ事数分、そこに現れたのはメイド服姿のロリエルだった。シンプルな白と紫のメイド服はロリエルの白い髪と紫の瞳にマッチして少し神秘的な雰囲気すら感じさせる。
「ローリーズカフェへようこそ。ご注文は如何致しましょう?」
な、何だこの天使はっ!?
……あ、いや、天使か。
驚いた。いつも無口で人と関わらないロリエルが……このような笑顔を見せるとは。
いや、そもそも勝手に大人しいとか暗いとか決め付けていただけだ。これが本当のロリエルなのか。
ロリエルだって本当はこうして友達と一緒に過ごしたかったのだろう。ただ、踏み出す勇気が無かっただけなんだ。
本当はいっぱい笑うし、戦隊も好きだ。
少しばかり不器用だが何ら他の子達と変わらない、普通の女の子じゃないか。
「えっと、それじゃアイスコーヒーを」
「せ、拙者はコーラフロートと、この季節のパンケーキを2つ!」
え、2つ?
「私は〜そうだねぇ、いちごパフェがいいなぁ〜それと〜」
それと?
「わ、わわ私はっ、カフェオレとチョコレートケーキが食べたいんですがっ? あ、でも苺もっ」プルプル
おい、
「ガブは〜メロンソーダ特大と、パンケーキと、ショートケーキ、パフェも食べるの〜!」
コイツらちゃんとお金あるのか?
「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」
ロリエルはペコリと頭を下げ奥の厨房へ入っていった。
「ロリエルちゃんの服、可愛いっすね! いつも放課後とお休みの日にはこうして働いてたんすね。知らなかったっす」
「それはそうと、お前らちゃんとお金払ってやれよ? 一応商売でやってるんだから……って……え……?」
4人の天使の視線が俺を貫く。な、何だこの視線。ま、まさか。
「支払いは勿論、顧問のフォルネウスなの〜!」
なの〜
の〜
〜
ちっくしょぉぉぉっ! 最初からそのつもりだったな!? はっ! 厨房のロリエルの口元が緩んでいる!?
俺が部屋に帰る前に、打ち合わせしてやがったのかぁ!!!!
天使? 否!
コイツらは悪魔よりタチが悪い!
こちとら魔界の金しかなくて初任給から前借りしてるってのにっ!
◆◆◆◆◆
こうして部活と言う名の女子会に無理矢理参加させられた上にその代金まで支払うハメに。
しかし、楽しそうにデビレンの話をするロリエルを見ていると、これで良かったのだと、そんな事を考える悪魔、フォルネウス2世であった。
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