15時限目【真・ロリエル勧誘大作戦】
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戦隊ネタを引っ提げて、天使部顧問フォルネウス2世が立ち上がる!
さぁ、今こそ決着の時!!
◆◆◆◆◆
今回はバッチリ決めてやるぜ!
ロリエルよ、今日こそお前のハートを、鷲掴んでやるっ! ギュッとな!
今日はロリエル勧誘リベンジマッチ。
今回はデビレンの話で盛り上がれ大作戦、ロリエルのあの好きさ加減なら間違いなく効果がある筈だ。やれるぞ、俺!
朝のホームルームを終え、戦地へと赴いた。
何食わぬ顔で窓際の席に近付いていく俺に気付いたロリエルは、一瞬チラッと視線をよこしたと思うと、苦虫を噛み潰したかのような表情ですぐにまた外を向いてしまった。
ふっ、ロリエルよ、いつまでそんな顔をしてられるかな?
俺は窓の外を見て自分の眉毛を触りながらひとり言を呟いてみる。
「あーぁ、最近眉毛の調子が悪いなぁ〜」
ピクッ「まゆっ……」
……お、反応したぞ!
「そうだ、眉毛と言えば今朝の……あれは凄かったなぁ」
ピクピクンッ
よし、感度良好。良すぎるくらいだ!
ここらで、パープルをチラつかせて見るか。
「あの、ビカァッ! ってのが最高だぜ、そう思わないか?」
「…っ!?」
ロリエルは驚いた表情で俺を見上げる。
「む……まさか、先生がパープル推し……つまり……男、いえ、漢だと……?」
何やら聞こえないくらいの声で念仏を唱え出したが、どうやら効果抜群の様子だな。
今にも眉毛について語りたいって顔してやがる。
そこで作戦通りマールがカットインする!
「悪魔ゆフラッシュ! ビカァッ!」
パープルの必殺技のポーズを決めたマールをロリエルがじっと見つめている。
……じぃ〜……
「あ……」
まさかの反応ゼロに固まるマール。
「違う……」
ロリエルは立ち上がり深呼吸をする。
そして、
「悪魔ゆフラッシュ! ビカァッ! だよ!! この間が大事なの!」
完璧なフォームで悪魔ゆフラッシュを決めた!
一瞬、教室中の視線が彼女に集中した。
ロリエルは澄ました顔で席に座る。
「ロリエルちゃん完璧っすね! 拙者、まだデビレン初心者っす! 色々教えて欲しいっすよ!」
「え、私が? い、いいけど……デビレンの世界は、そう甘くないわよ?」
ロリエルは頬を赤らめる。というか、ガチ過ぎね、ロリエル。
「やったぁ! そうっす、良かったら一緒に天使部やるっすよ!」
マールはここぞとばかりに畳み掛ける!
「あ、せっかくだけど。放課後はお店を見ないといけないから部活までは」
するとそこにガブリエル2世がやってきて追い打ちをかける!
「それなら、そのお店を部室にすればいいの〜! ナイスアイデアなの! えっへん、皆んな褒めるの〜!」ドヤドヤ!
ガブリエルはドヤ顔で小さな胸を張る。
「うちを部室に?」
「そうなの〜、それなら働きながらクラブ活動も出来るの。しかもメロンソーダも飲み放題なの!」ドヤ!
ガブリエルよ、お前の目的はそれか!
「メロンソーダ。むぅ、わかったわ。そういうことなら、部活、参加しても、いいかな」
(もっとデビレンの話をしたい! メロンソーダを飲み放題にされてでもっ)
「やったっす! 天使部へようこそっす! これからはもうお友達っすね! デビ友っす!」
「とも……だち……」(デビ友ーー!)
ロリエルは顔を真っ赤にして呟いた。
平静を装ってはいるが内心では念願のデビ友獲得を祝うファンファーレが鳴り響いて、盛大なパレードが始まっているのだろうな。
こうして意外とちょろかったロリエルの勧誘は成功し、天使部の部員は5人となったのだ。
部長、マールエル。
幼馴染のガブリエル2世、
ガブリエル萌えのクロエル、
ゆるふわ天使のモコエル、
そして、
戦隊好きの白き天使、ロリエル、
顧問、悪魔のフォルネウス2世、
◆◆◆◆◆
ついにロリエル勧誘を成功させたフォルネウス達天使部一行!
次回、部室となったカフェに集合だ!!
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