第6話 その後

 あのあと病院に行った開人は医師に「確かに折れているけど、異様な速度で再生している」とか言われた。主な理由としては不要なものを破骨細胞に吸収される速度が早まっているのと骨芽細胞による新たな骨の形成が同時に早まっているからだそう。


 開人としては一つ身に覚えがある。解放極拳を習い始めたばかりの頃に何度も怪我をしてるうちに最早怪我を諦めてを探すことにした。

その結果、再生急という体内の細胞を大まかではあるが、操作するという技法を覚えた。欠点としては使用時と使用後の少しの間に気怠さを覚えるが、元より気怠い開人は本音がだだ漏れになる欠点となった。

 

 医師との相談の結果、明日の学校は午前は様子を見て平気そうだったら午後に出席という形になった。




【麗開人の家】

 開人は親の仕送りなどで基本的に生活しているが、個人的に欲しいものに関してはバイト代で買っている。だが、「いくらバイトしてもお前には無理だ」という父親の威圧と「このぐらいはお母さん達を頼って?」というで済むのか怪しいが、マンションで暮らしている。


 ちなみにこのマンション、セキュリティ面はそこまで強くない。どうしてそんなとこにしたかと言えば、セキュリティ面が強いと、同時にお金の方が跳ね上がる。ということで、こんなとこにしたが………


「………お前誰」

「………」


 たった今、泥棒を目にして引越しを決意した。キュリティが強いとこに。


「チッ、ドケェ!」


どうやって入ったかは知らない。だが、ナイフを向けてこちらに走ってくる。

玄関から馬鹿正直に逃げようとするが、開人が玄関への道を塞いでるからナイフで脅して退かそうとしているのだろう。

 開人は左腕を骨折してるため、アームホルダーを付けている。そんなやつなんかナイフを向けて突っ込めば勝手に避ける………普通の人なら。


「解放極拳!九式!閃光・電光蹴り2段!」


 狭い通路で回し蹴りなどは出来ないと考えた開人は即座にの一つ、2

要は二段蹴りであるが、普通と違うのはその速度である。

 

 解放極拳により通常よりも遥かに動けるその速度を利用し、一発目のフェイントは見える速度で、そして本命の蹴りは素人では反応しきれない速度で相手に打つ。

 その道のプロでも反応できない者は反応できないであろう速度で蹴られたらひとたまりもないが、流石に殺人犯にはなりたくない開人は当たる直前にブレーキをかけ、残った余波で泥棒を突き飛ばす。


「グハァッ!」


 泥棒は後方に思いっきり飛び、開人はすっ転んだ。


「いてて、バランス取れなかった。あ、警察警察」


 警察を呼び、事情聴取でまたしばらく休めない開人であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る