第4話 喧嘩は好きじゃない
結局約1時間ほどゲームを遊びまくった。
主に華鈴が遊びたいと言うので、付き合ってるうちにゲームセンターのゲームの大半はやったことになる。やってないものの方が少ない気もする。
そんなこんなで、遊び終え帰ろうかと話してると、開人が最も華鈴と付き合って起こしたくなかったことが進行形で起きる。
そう、学校の男たちと華鈴といるところを見られたくないことだ。
「おい、華鈴。なんだその野郎どもは」
他人にさほど興味のない開人でもこの男のことは噂程度は知っていた。学校では暴力事件など普通に起こしてる。
(確か………朝霧兄弟の朝霧力男?だったか)
「お前ぇ、俺と兄貴がいながらそんな奴とつるんでるのか」
「いつも言ってますけど、私は貴方達のどちらともお付き合いしたつもりはありません!」
この会話だけでおおよその状況は飲み込めた。結論から言えば、華鈴に告白するも両者撃墜。それでも勝手に俺様の彼女的な態度を取ってる、こんな感じであろう。
なんというか、アホらしい………そんな考えを持っていたら、常幸が近寄ってくる。
(お、おい!。いざとなったら全員倒してくれよ!)
(………いざとなったらな。基本的に喧嘩はしたくない。面倒くさいし)
「で、そいつらどんな関係なんだ」
「私のか、彼氏の開人くんとそのお友達の常幸くんです!」
彼氏、というのが恥ずかしいのか、顔を赤らめながら物申す。あまり深い仲になりたくないと思ってる開人も普通に可愛いと思うほど。
常幸に至っては、下の名前で呼ばれてるのに大喜び。
「彼氏だぁ?………ふざけんな!」
キレた力男は開人………じゃなくて、常幸の胸ぐらを掴んで持ち上げる。身長190あり、力もかなりある力男は常幸を軽々と持ち上げる。
「え?………え!?」
「な、何してるんですか!」
「この彼氏気取りをぶっ殺すんだよ!」
「そっちの人は開人くんじゃなくて、常幸くんです!」
「あぁ?」
常幸を3秒くらい見た後、開人に視線を移す。
「こいつが彼氏気取り野郎か?」
「そっちが開人くんで………あ」
言ったらやっぱり不味かったですよね、ごめんなさい。とでも言いそうな感じで開人をみる。
「………こんなパッとしてねえ根暗野郎が華鈴の彼氏だとお!?」
常幸を投げると、クレーンゲームに強く叩きつけつけられる。
「ッガァ!?」
「常幸くん!」
華鈴は急いで常幸の元に近づく。
「だ、大丈夫ですか?」
「あぁ………天使が迎えに来た」
「ご、ごめんなさい!!。私のせいで。しっかりしてください!!」
「はは、待ってくれよじ〜ちゃ〜ん」
華鈴は慌てているが、割と元気そうな常幸を見て安心する開人。力男に視線を戻す。
「根暗野郎で悪かったな。けど別に、華鈴が誰と付き合ってもお前に関係なくない?。なんならまだお試し期間だから後から………あぁいや、お前のブス面じゃやっぱチャンスねえか」
「………テメェらこいつをぶっ殺せ!」
ゲーム機で遊んでいた力男の腰巾着やらパシリやらが、一斉に集まってくる。
「………喧嘩は好きじゃねえんだよ。言っとくが………割と強いぞ。俺は」
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