第2話 理由を!!

「ごめんなさい!」


 彼は即答だった。

 何故?罰ゲームかもしれないから?。自分なんかがハイというなんておこがましいと思ったから?。


 否!。単純に面倒くさいのである。

 こんな告白を受けようものならば、今までフラれた男やらフラれてない恋心を抱いた奴らが襲ってくるに違いない。そんなのはごめんだと。

 

 まぁ、罰ゲームに違いない。こんな美少女がなんてとも考えていた。


「そういうわけなので………えぇ!?」


 華鈴は………真っ白になっていた。

 突き出した行き先のない右手を出したまま、顔を上げて真っ白になっていた。よほどショックだったのか、断られない自信があったのか………。


「か、華鈴さん?」

「う……」

「う?」

「ゔわぁああああああん!。フラれじゃったよォオオ!」


 大泣きしてしまった。

 膝から崩れ落ち、それはもう。ワンワンと大泣きしている。


「え!?ちょ!。な、泣かなi」


 バンッ!と、閉めた扉が開けられると2人の女が立っていた。


「どうした華鈴!!」

「かりっぺ〜」


 とても筋肉質で開人よりも身長の高い女と

華鈴と大して変わらない身長でふわふわした少女が入ってくる。


「オメェかぁ!華鈴を泣かしたのは!」


 筋肉質な女………もとい、力丸多味子りきまるたみこは、開人の襟を掴み持ち上げる。


「うぉ!?」

「かりっぺを泣かせるな〜」


 ふわふわな少女、音無雨音おとなしあまねにポカポカとまったく痛くない力で叩かれる。


「なんでフった!」

「え?いや………え〜〜」


 この男、こんな状況でも面倒くさがっている。


「華鈴はな………勇気を振り絞ってお前を呼んで告白したんだ!。それをなんでフッたぁ!」

「え?面倒くさいから………ハッ!」


 つい本音が出てしまい、急いで口元を押さえるが既に時遅し。

時間は戻らないのだと、開人は痛感している。


「面倒くさいだぁ?………そんなことでフリやがったのか!」

「あぁ!いや!これは言葉の綾というものでだな!」

「問答無用!!」


 多味子が拳を振り上げ、開人の顔面を殴ろうとした瞬間、開人が叫ぶ。


「お、お試し期間!」

「………お試し期間だぁ?」

「そ、そう!。ほ、ほら。華鈴さんと俺ってお互いのこと何にも知らないし、試しに付き合って、それでも俺の気が変わらなかったら、これは無かったことにしよう!」

「あぁ!?。ふざけたこと言ってんじゃねえ!。そんなんで華鈴が許すと思うな!」

(やっぱダメかぁ!………なら、手荒になるが、逃げるために………)

「だよな!華鈴!」


 そう、普通は許さない。こんなふざけた提案などキレてなんぼだ。

 

 だが、彼女は違った。


「はい!お願いします!」


「「「…………は?」」」

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