学校一の美少女にこんな俺が告白される筈がない
醤黎淹
第1話 告白!そしてお断り
「麗開人くん」
何故だ………俺は目立たないよう、平和に生きるためにこんなにも努力したはずなのに。
「私と………」
髪も伸ばしてボサボサにした。
成績だって赤点ギリギリにしてきた。
それなのに!
「付き合ってください!」
学校一の美少女にこんな俺が告白される筈がない!
遡るは数時間前
髪もボサボサ、成績は赤点ギリギリ、運動神経も皆無と思われている彼、
「開人、今日帰りゲーセン行こうぜ」
「面倒くさ………いや、いいけどさ」
開人はグチグチ言いながらも、ゲーセンに行く気満々であり、内心ゲームをしたくて堪らない。
早く行こうと下駄箱を開けると一つの手紙が入っていた。
「………なんだこれ」
「お?………おぉ、これは………ラブレターではないか!。開人!早く中身見ようぜ!」
「わ、わかったから待て!………」
開人はゴクリと唾を飲み、手紙を開く。
『拝啓 麗開人様
今日の放課後、1ー3組で待っています。』
手紙には送り主の名前は書いていないが、字はかなり丁寧に書かれており、とても綺麗な字だった。
少なくとも男子による悪戯の可能性は減った。
「おぉ!開人!。高校生活でついに恋人が出来るのか!。いやぁ、感動だ」
「まだ送り主が女とも限らないし、罰ゲームかもしれない。それに、仮に本当に女からの告白だったとしても付き合うとも限らない」
「冷めてるなぁ、お前………まぁいいや。ここで待っててやるから早く行ってこい!。さぁ!さぁ!」
常幸に背中をバシバシ叩かれてながら、送り出される。
「いっつぅ………待ってろよ」
あまり気乗りしないが、行くだけ行くかと、4階にある1年生の階へと向かう。
わざわざ顔も知らないやつに会うためにこの階段を上らなければいけないのかと、開人は正直、嫌気が差している。
4階まで上り終え1ー3の扉の前まで辿り着く。
正直今にも帰りたいが、ここで帰ったら後々怖いので致し方なく扉を開ける。
そこには………この学校の者なら誰も知らない筈がない。
それほど有名な………美少女………
「え………えぇ?」
何故ここに?と、開人は考える。開人の脳内では2つの考えが出ている。
1 たまたま居た
2 手紙の送り主
(いや………ありえない。2はありえない。うんよし、たまたまだな)
「麗開人くん………ですよね」
声をかけられ、ビクッとなる。
「あ、あぁ。そうだ」
(まさか………まさかな………いや、そんな)
ベージュ色の綺麗にまとめられた髪。
とても背丈が小さいのに、凹凸がハッキリとしており、肌もとても白く、いわゆる童顔でとても丸顔で目も大きい。そして性格もいいときた。
一眼見ただけで惚れた男が続出し、入学してたった数日で学校中の男に告白された美少女。
そんな人気者である博華鈴が、手紙の主である筈がない。そう思っていた。
が、その幻想も次の一言で終わった。
「麗開人くん………私と………付き合ってください!」
右手を突き出し、頭を下げる
「ごめんなさい!」
同じように頭を下げ、即答である!
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