第4話

『『『ギエェェーーーェェェエエエエエエ』』』


俺とエリスは今、なぜかゴブリンの集団に追われていた。

数分前―――

2人気まずいまま街へ向かって歩いていると、突然上から2体のゴブリンが降ってきたのだ。

そこで俺たちは全力で街の方へ逃げていたのだが、エリスが混乱してゴブリンの方へ小さい魔法を撃ってしまったからか、仲間を呼ばれて、俺たちは大量のゴブリンに追われてしまったのだ。


「なんだよこの多さ!」


――そうこうしているうちに、健介とエリスは、薄汚い家や、洞窟などがある集落へ来てしまった。


「ケンスケさん、ここはゴブリンの集落だと思います!」


追い詰められながらも、エリスは健介に伝える。


『『『ギエェェーーーェェェエエエエエエ』』』


「くそっなんなんだこの状況!エリスっ

集落ってやばいとこなのか?」


「はいっここはゴブリンの集落だから普通のゴブリンが約200匹、そして1匹凄く強いゴブリンの長がいます。」


このゴブリン共だけでも200匹いるのにその上ボスがいるだと!?聞いてねぇ


「まずはこのゴブリンどもを一掃しねぇと」


だがどうする?

こいつらは一気に倒さないとやばいと思う。

だがエリスの魔法に頼ってもだめだ。

どうする!?考えろっ!!


健介達は着実にゴブリン共に追い詰められており、何匹かは飛びかかってきている。

健介は避けたり、エリスが魔法を使い躱したりしているが、これはもって数分だろう。


周りには家や洞窟、今は広場の様なところ。

まだボス的な奴は出てきていない。

一気に倒す方法だっ!

一気に、、、


―――――ハッ!これなら、、、


「なぁエリス――――――――」


「わかりましたっ。でも私、、、いえっ大丈夫です!」


作戦を伝えると、エリスは若干戸惑いながらも、了承した。


すると健介は、いきなり息を吸い込むと――


「こいやぁぁゴブリン共ぉぉ」


『『『ギエェィィィェェェエエエエエエ』』』


と大声で叫び、魔族収集を発動させながら全力で走り出した。






―――――ケンスケさん、また光がでてる。

さっきは誤魔化されたけど、あとでちゃんと聞かなきゃ。

でもまぁ―――


「そんなことより、私が頼られたんだからっ仕事をやり遂げる!」


―――なにより、助けて貰ってばっかじゃ、○○○○しねっ!


「なんたら爆破っ(魔法の名前です。まだ未定!)」


『ドンっドンっドゴココォォォォォォォンンン』


「そしてっ【遅延】(仮)」


よしっこれを連発して、、、


―――ゴブリン達が健介を追い掛け回している間、エリスは爆破魔法を撃っては遅延してを繰り返し、ある一定の場所に大量に爆弾のようなものを作った。


オーガに襲われた時は凄まじいほどの魔力で魔法を使っていたが、今まではずっと火力が少なかったエリス。だが実は、ほぼ同時に違う魔法が使えるという特技があったのだ。

それを何気ない会話の途中健介は聞いていたので、それを活かし考えた結果、爆破魔法を撃ち、自分で遅延を解くと放たれる爆弾のようなものを作ることを考えた。

これがとても一気に相手を倒すのに良かった。


「ふぅ、、これで――」


そうして今も走り続けている健介にエリスは大声で言う。


「ケンスケさーーん!いけました!!!」


すると健介とエリスは一瞬目配せし、頷くと―――その爆弾を作った方へ健介がさっきまでよりも格段に速く走り出した。


「うぉぉぉぉおおおお―――」


『『『ギィィィェェェェェェェェエエエエエエエエエ』』』


その健介を追いかけるゴブリン共。

そして健介がうしろにゴブリン共を引き付けながら爆弾のエリアを抜け―――――


「エリスッ!!!!!」


「解除っ!!」


『ドココォォォォオオオオンン』


『『『ギェッギェッギェッギエェェーーーェェェエエエ』』』


凄まじい爆発音と同時に、ノイズのかかったようなゴブリン共の断末魔が聞こえた。

そして、爆発が起きた場所を見ると――――

そこにはたまに骨などが残っているが、生きているものはみられなかった。


「「フゥゥゥーーーゥウ」」


安堵の溜息が2人被った。

そして顔を見合わせ、『やってやった』と言うような顔を2人しながら笑った。


「やったな。エリス」


「はいっ。やりましたね、ケンスケさん。」


そうして2人、流れでハイタッチしようとしたその時――――――


『お”ぃ”っオ”デの村のやつらを皆殺しにしたのはおばえらだな”』


もの凄い形相で2人を見つめながら、ノイズのかかったような気味の悪い声で2人に話しかけたのは―――――


「ゴブリンっ、、、ロード」


震えきった声で、怯えながらもエリスは健介に言った。

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