珍兵器歓談(リアル編)・YB-40とDo-200(1)

 Do-200。Fw-200コンドルの間違いではありません。

 ドイツが鹵獲したB-17をこの名で呼び、使用もしたというのであります。それについてはまた後ほど。

 もう一つ、ボーイングのYB-40というと、ミリタリーマニアの方には有名な機体ではありましょう。

 四発爆撃機部隊の護衛のために、四発爆撃機の武装と防弾を強化した援護戦闘機、またの名をガンシップ。それがYB-40です。さらにB-24をベースにしたYB-41も開発が進められます。

 日本も同種のアイディアを持っていたのは有名でしょう。海軍では一式陸攻の開発途中に翼端援護機という機体を先行して開発しました。日中戦争(日支事変)で中国奥地まで出撃した96式陸攻が、護衛戦闘機の随伴できない奥地で中国の戦闘機によって多大な損害を出したためです。

 陸軍も同様に、百式重爆「呑龍」を改造した多座戦闘機キ58を開発しましたし、四式重爆をベースにした翼端援護機キ69も構想されました。こちらは実機製作にまで至りませんでしたが…。


 結局のところ、そのいずれも、最終的にはモノになりませんでした。増設した機銃と弾薬、銃手、防弾装備の分だけ機体は重くなり、しかも帰途もあまり変わらない。爆弾を落とした爆撃機が軽くなって速力が上がるのに、護衛戦闘機の方が付いていけず、爆撃機のお荷物になる事態に。

 それでいて、多少数を増やそうとも旋回銃座の命中率は低いのですから、見限られるのも道理というものです。

 YB-40も日本海軍の翼端援護機も、大きな戦果を挙げず、本国に戻されて練習機などとして余生を送ったとのことです。ただ、YB-40に関しては、機首下部に増設された動力銃座は高評価だったため、B-17にも導入されてG型となりました。

(続きます)

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