珍兵器歓談(リアル編)・ホ301機関砲(6)
またもホ301とは直接関係ないのですが。
二式単戦より二、三年後に開発が始まった川崎の液冷戦闘機キ60では、主翼に20ミリ機関砲を装備する構想になっていました。実際に完成した試作機三機に搭載はされていなかったと思いますが、この時期ですと海軍から九九式の供給を受けるつもりだったのではないかと読んだことがあります。
キ60の主翼は弦長が長いので、九九式にせよホ5にせよ搭載可能だったかと思います。一方キ61・三式戦闘機『飛燕』の主翼は弦長が短い高アスペクト比翼なので、ホ103までしか想定していなかったのでしょう。
コンパクトなマウザーMG151機関砲は翼内に装備出来ましたが、ホ5を搭載するためには二型のように、弦長の長い主翼に変更する必要がありました。
結局その二型は性能低下で没になったので、二型改では主翼を一型に戻し、ホ5は機首を延長して積むことになった訳ですね。
さて、前に触れましたが、ベッカーアクションの機関銃(砲)は、プロペラ同期装置が使えないため、プロペラ圏外への翼内装備かプロペラ軸に仕込むモーターカノンでしか単発戦闘機には使えないそうです。
太平洋戦争後半になると、陸海軍とも新型単発戦闘機の武装を少なくとも20ミリ4門とするのが標準となりますが、陸軍機が機首二門、主翼二門なのに対して、海軍が機首銃を廃止して翼内四門とした理由の、少なくとも一つはこれでありましょう。
結局最後も直接関係ない話でしたが、変わり者機関砲ホ301の話は以上でございます。どっとはらい。
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