珍兵器歓談(リアル編)・ホ301機関砲(3)

『夜間戦闘機なら使えるかもしれぬ』

 その言葉を証明するかのように、鐘馗の他にこの砲を装備した唯一の機体は、二式複座戦闘機『屠龍』の夜間戦闘機型である戊型ぼがたです。

 ただし、斜銃(陸軍では上向砲と言いますが)を装備し実戦で活躍した丙型とは違います。機上レーダーを装備した本格的夜間戦闘機として開発された機体です。

 機首は電探のアンテナで塞がっているし、恐らく丙型で上向き砲を装備している場所も電探本体が乗っているのでしょう。武装はホ301一門のみ。胴体中央下部、20ミリ機関砲ホ3に代えて装備されているようです。

 結局、機上レーダーが実用レベルに達する前に終戦となり、この機のホ301が実戦に使われる事は無かったようです。


 また脱線しました。


 さて。

 ホ301の問題点を、どうすれば改善できたでしょうか。

 初速が遅いので、ションベン弾になる。しかし燃焼薬を増やすと、弾が重くなります。

 APIの特徴として、初速と発射速度が反比例するそうです。で、弾が重くなると発射速度が遅くなる。まあ、なんとなくそんな感じはしますね(汗)。

 そうでなくても発射速度も遅いのですから、これ以上そちらを落とすのも避けたい。といって、炸薬を減らすのは本末転倒になります。

 うーむ、むずかしい。通常形式にすれば砲が重くなりますしね。

 やはり、この形式である事によって大口径砲を既存の機体に積む事が出来たのですから、致し方ないのでしょうか。


 続きます。

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