V作戦の主役たち・ガンタンク(1)

 ガンダム世界屈指の突っ込み甲斐のありすぎるMSとして、皆が大好きガンタンク。

 本来の設定なら、歩兵役のガンダムに後方から援護射撃する支援火力として、両者の中間的な役割のガンキャノンと合わせ、三機種セットで開発された、と言うことになる訳で。


 しかし、ガンダムメカの設定やスペックは今までにも変遷していまして。

 近年では、その足周りは、試作戦車RTX―44をベースにしたものとされてますが。しかしどうにも戦車らしくないです。

 転輪が四つという車台の短さ。いやまあこれならStrv―103、いわゆるS戦車でもそうなんですが。

 しかし駆動輪が前端でも後端でも無く中央上部、それも誘導輪より高い位置についているという不思議。

 戦車というより、ブルドーザー…特にキャ○ピラー社が特許を持つ、駆動輪が転輪の上にあるブルドーザーに似ています。どことなく、ブルドーザーの足周りを前後逆にして、誘導輪を追加したような気がします。

 これがMSVに登場するガンタンクⅡの車台なら、戦車だって納得なんですが。


 俺ガン的には、MS開発のテストベッドとして、宇宙開発用のブルドーザーを足回りに利用した、としたいところ。

 月の開発や、ルナツー(元は小惑星のジュノー)を掘削してコロニーの資材とする過程では、大型のブルドーザーが活躍する局面もあった事でしょうし。


 さて。ゲーム『ギレンの野望』では、連邦軍側で真っ先に実戦配備されるのがガンタンクです。対MS兵器として、取り急ぎ戦場に投入されることになります。

 仮に、MSのテストベッドに武装を施したものがガンタンクだとするなら、そのコンセプトはどのようなものだったでしょう。

 武器が主砲にボッブミサイルでは、通常兵器とそれほど異なりません。格闘戦はもってのほかです。

 「第08MS小隊」では、量産型が強力な間接砲撃を行います。燃えるシーンです。やはりガンタンクは砲兵なのか?

 しかしこれには、やや疑問があります。


 ガンタンクの主砲は、設定では120ミリという、今の戦車砲と同レベルの砲です(戦車と同縮尺ではとてもそうは見えませんが)。

 ザクマシンガンと同じ口径。師団砲兵が155~175ミリ、軍団砲兵が200~230ミリという第二次大戦後の先進諸国軍の火力に比べても貧弱で、モビルスーツを中心とするジオン陸上部隊に対して有効とは考えにくいところです。

 それにこのような使用法なら、同じ砲を搭載した通常形式の自走砲を生産した砲が効率的でしょう。


 同じ120ミリ砲連装(どう見ても同じ口径の砲には見えませんが)なら、61式戦車の方が安価で運用にも経験が豊かな分良いのではないかと思われます。

 両腕のボップミサイルも、対人自衛兵器としてはオーバーキル、かといって面制圧を求められる兵器でもない。それこそ多連装ロケット砲以下略。


 では、ガンタンクの方が61式戦車より優れている機能とは何か。

(続きます)

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