第3話 招待されたパーティー

 パーティー今となってエシスはパーティーのことで悩んでいた。


「陛下、今になってやめるとは言わないでくださいよ?」


「分かってる、だが失礼の無いようにしたいんだが無理な話なんだよな…」


 彼を悩ましているのはドSの性格。これはファリルに嫌われるためにやっていること。それを本人に見られたらと考えると…。体中から汗が噴き出す。


「エシス様、そろそろ時間です」


 ラリエレは扉の前でそういう。


「わかった。直ぐ行く」


 エシスはすぐに支度をする。


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 フロウブレン国に着くと、たくさんの人がパーティーに参加。今思い出すと今日は彼の誕生日でもある。そのためのパーティーなのだろう。


「陛下、この度はお誕生日おめでとうございます。我々、心しく嬉しく思います」


「ありがとう。私も嬉しく思うよ」


「陛下、お話のところ申し訳ございません」


ヘリサナは一礼をしてファリルに耳打ちをする。


「エシス様がいらっしゃいました」


そう言うと、ファリルは慌てて立ち上がる。


「申し訳ない。話はここまでだ」

 

ファリルは早足で貴族が集まっている場所に急ぐ。


「あいつが来てくれているということで間違いないな!」


「ええ、様子からして挨拶だけだのような感じです」


「そうか、なら俺はあいつを連れて部屋に篭もるだろう。使えているあの者達にはお前から何か言っておいてくれ」


「わかりました。お手柔らかに、お願いしますね。一応は一国の国王ですから」


「わかった。無理だったらごめん」


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屋敷内では、ラビリンス国の新国王として挨拶に回っているエシス。


「まさかあの王子が、こんなに立派になるなんて、心より嬉しく思います」


「ありがとう。私からも嬉しく思うよ」


「陛下。お久しぶりでございます」


「よるな、女は嫌いなのだ」


「そのドSな性格、嫌いじゃありませんね」


彼女は頬を赤らめながら言う。そんな時に、エシスの体が浮かび上がる。驚いていると、ファリルが俵かつぎをして連れ攫われる。追いかけようとしている召使いをヘリサナが足止めをする。


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「この、はな、離せ!おい!この俺の声が聞こえないのか!」


 暴れるエシスを気に留めていないファリルに、少し恐怖が走る。到着したのはある一室。そこにあるベッドに落とされる。


「痛った!何するんだよ!」


 叫ぶエシスだが、ファリルはその上に覆い被さる。彼の顔が近くに感じる。思わず息が止まる。


「なん、だよ…」


 ドSを演じようと強気になる。だがいつもと様子が違う。目の前にいる彼が野獣の様に見える。

 すると彼は何も言わず、身体を抱きしめて来た。

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