名前
「さてと弾き終わったから手入れするか。」
ベースの液体スプレーをかけてその上をトイレットペーパーでふく。よしいい出来。やっぱりカッコいい。明日は休日だから時間が取れる取れる。もう寝るか。
…ガサゴソ。ガサゴソ。早朝何故か音がする。うーんもうそろそろ起きるか。
「泥棒。」
朝起きるとロングヘアの見知らぬ女性がいた。
「あわ、違う。私、紅乃」
「盗んだな。ていうか何でそれを知ってるんだ。返せ紅乃を。」
その刹那その女はいなくなりスタンドにベースが戻る。疲れてるんだそうだ寝ようそうしよう。
「ねえ聞いてよ。」
なぜかさっきの声が聞こえる。気色悪い。
「もう一度、私の名前呼んで。」
「えと、紅乃。」
「呼んでくれてありがとう。」
さっきの女が出てくる。どうなってるのか分からん。状況を確認しよう。さっきベースが無くなった。そしてこの女が出てきた。そして名前を呼んだら戻った。つまり…信じがたいがベースがこの女になるということ…なのだろうか。
「昨日私をトイレットペーパーで拭いたよね。あれ嫌。クロスで拭いて。あと弦強く弾き過ぎ、私ちゃんと音出るから少し弱く弾いてよ。髪の毛痛んじゃう。」
確信した。うんそうらしい。どこか乙女なところがある。まあ性格は一旦置いとく。
「あの髪の毛って弦のこと。」
「そうだけど。あとこれ私自身の説明書書いといたから、暇があったら読んだいて。」
と紅乃から直筆の説明書をもらった。
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