第9話 お題9:「好きでした」で始まり「嫌いでした」で終ります。

 ある所に警備隊の隊員と冒険者の女性がいた。

ちょっとした事件がきっかけで仲良くなった二人は

二人共に歩んで行きたいね。っと言うことで

好きな所と嫌いな所を同時に言い合う事にしました。

()内は冒険者の声 

互いの「好きでした」を言い合うます。


 思わず見とれてしまうその姿

(自分を犠牲にしてでも他人の為に生きる姿)

 

天使の歌声のようなその声

(人を守る為に証言する力強い声)


真っ直ぐなその眼差し

(罪を憎むその眼差し)

 

綺麗な指先

(ごつごつした掌)

 

それぞれは二人の自分自身の嫌いな筈の部分でした。

顔を見合わせて、笑いながら何故嫌いかを

同時に言ってみる事にしました。


()内は警備隊員の声

なよなよっと弱く見える姿

(他人の為だけに行動する必要がある事)


弱々しく聞こえる声

(太くガラガラとした声)


見ていないのに見たと絡まれる

(犯罪者のような目付きの悪さ)


全力で修練しようと豆すら出来ない掌

(武骨でごつごつして怪我をさせそうな掌)


二人とも他人から見たら、良く見える部分を

「嫌いでした」そうして、話しているうちに、

自分の欠点だと思っていた部分は

長所の一つだと気づいたのでした。

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