第7話 お題7:「 貴方を捜していました」で始まり「黙って頷いたその瞳があんまり優しくて泣いてしまった」で終わります。
「キャプテン、司令が、貴方を捜していましたよ。」
軌道エレベーターを登り着艦すると副艦長が出迎えと報告をしてくれた。
「そうか、ありがとう。連絡をしてみるよ」艦長席に座り、連絡をとることにする。司令の顔がスクリーンに映り私は、司令に報告を始める。
……
地球歴253年、人口が爆発的に増え、宇宙移民計画でコロニーに人口の一部が移住したものの食料資源の限界を迎えていた。
そこで持ち上がった計画、移住可能惑星への移民計画通称ノアプロジェクト。候補の惑星は200年以上前にいくつか発見されていた。そのうちの一つ、ケプラー452bへの移住計画。移動距離と速度の問題で一度頓挫した。
近年、亜光速ドライブが開発された事で通常エンジンの半分の時間で辿り着ける希望ができた。その事により再会されたプロジェクトノアの第1次移住計画が進み航宙移民船カラ・コルの建造計画が始まる。殆ど決死の特攻のような計画である。
皮肉な事に宙域同士を繋げて行くハイパードライブは、地球歴270年に外宇宙からの使者との技術交換で出来上がる。
航宙移民船カラ・コルは、全長1000kmをコロニーごと移住計画超えると後年呼ばれる。それ程の巨大なものであった。
地球歴255年6月3日 命の保証は無いにも関わらず、抽選で移民候補者が決まる。その数約数千万人が当選し、この日より乗船準備が始まる。各移民は学習コアにより、知識を埋め込まれ、実地訓練に時間を費やす事になる。
地球歴260年9月6日 航宙移民船カラ・コル就航。
翌日より乗員とアンドロイド、補助用ボットが乗り込み15日より移民が乗り込み始める。それぞれ与えられた仕事を行う事になる。
航宙移民船は、普通に食料を作り、何世代かを経て移民する計画で現状は都市型コロニー周辺に森林地帯をもうけ、四方にコロニーを設置している。服飾や技術、農業などで各コロニーで仕事に従事する。アンドロイドや、補助ボットの部品も計算上500年分積み込まれた。あとは、移民船内部で生産する。
地球歴261年3月 航宙移民船カラ・コル出港。移住先への長い長い旅が始まった。
「我々のこの任務は生きて遂行は出来ないだろう。しかし、未知の驚異から人類をなにも知らない人々の生命を生活を守るのが、我々軍人の仕事である。諸君らの力が必要だ。諸君らの検討を祈る。では、これより、新天地へ向けて出発する!」
 ̄ ̄
「司令、及び司令室の皆さん、これより、我々は新天地へと向かいます。今までお世話になりました。もうお会いする事は無いでしょう。お元気で」と微笑み敬礼する。
「君たちの検討を祈る。カラ・コルに勇気と幸運があらんことを」
司令が返礼する。司令室の皆は静かにそれを見ていた。もう二度と会う事はない。そして、明らかな実験的で過酷な旅に出るのだ。
前例もなく助けてくれる者も居ない。
キャプテンは、それを聞き黙って頷いた。その瞳があんまり優しくて泣いてしまった
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後書き
時々お題次第で、SFぽく書けたら良いなぁ。もっとSF側の設定詰めなきゃいかんね( >Д<;)
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