修学旅行の話

第33話

暖かい春の日差しが感じられる月曜日、俺は久し振りに通る通学路を進んだ。

そう。月曜日。いよいよ停学の期間が終わったのである。

昨日はといえば朝から山上と小牧が俺のベッドにいたことから一日中ギクシャクしていてどこか落ち着かないが片方がいなくなればそれもない。


「どうしたの神野くん? 今日はやけに機嫌が良さそうじゃない。そんなに私と登校できるのが嬉しいのかしら? 」


そう。今日は久しぶりの登校ということもあり、俺は少し浮かれていた。まあ、たとえ俺のような学校のスクールカーストの最底辺に立つような男でも久しぶりの学校というのはどこか新鮮なものがあるのかもしれない。


「はいはいそうですね」


今日の俺は機嫌がいい。

なのでいつもの小牧の言葉責め(?)すらもいいものに感じる。いやそれじゃあただの変態だな…。


「そんなことより修学旅行よ。神野くん。1日目から一緒に京都のデートを楽しんで2日目はデートを楽しんで、3日目は…」


何故か3日目は頰に手を当てニヤニヤしていた。やめろ。何をするつもりなんだこいつは。


「いや、2日目と3日目はともかく1日目はクラス行動とクラス内の班行動だろ? 」


「なにを言っているのかしら? あなたに私以外の親しい人間なんて存在しないでしょう? 」


ノータイムでそう返された。


「いるよ!? 人間で定義するなら家族もありですよね!? 」


「あらやだ神野くん、いきなり家族なんて気が早いわよ…そういうのは順を追って…! 」


「お前のことじゃねぇ! 」


何故か自分が家族と言われたと勘違いしたのか小牧は頰を朱色染めた。


「それにほら…や、山上との仲も悪くはない! 」


俺はこの発言をしたことを後にものすごく後悔するのだが今はまだそんなことは知らない。


「山上さん、ねぇ…」


小牧は顔をしかめた。あ、やばい。この話題はしたくなかった。やらかした。


「ここではっきりしましょうか、あなたは、私と山上さん。どちらが好きなのかしら? 」


「急にラノベの一部分切り取ったみたいな話題はやめない? 」


「何を言っているのかわからないけれど、ちょうど後ろに山上さんもいることだし」


「は? 」


俺は後ろを見た。するとそこには今声をかけようと思っていたと言わんばかりの山上の姿があった。


「お、おはようございます、先輩! 」


山上はいつもの元気な様子のまま俺の左手を掴んだ。

「うぇっ!? 」


俺は激しく動揺する。


その様子を小牧はなんらかの宣戦布告と受け取ったのか、小牧は俺の右手を自分の胸に抱き寄せた。


「うぉぁっ!? 」


再び動揺する。


一応現状確認をしよう。ここは通学路、しかももうかなり歩いたので校門のすぐ近くだ。


つまり、つまりだ、

すでに周りには多くの生徒がいるわけであって、側から見たらこの様子はただの修羅場だ。


そう直感した矢先、俺がどうやってこの状況から脱出するかを考える暇もなく開戦の火蓋が切られた。


山上が俺の左手を引き、小牧から引き離す。


「先輩は私の方が好きですよね!? だって私はなんですよね!? 」


はいやったー。これはやらかしたわー。だってもう俺らの周り野次馬に囲まれてるもん。

こいつ絶対わかってて言ってるよね?


「何を言っているの? 神野くんは私のものよ? だってあなただって見たでしょう? 神野くんが私を後ろから抱きしめてって言ったのよ? 」


こいつはこいつで更にやばい発言したわ。


つーかこれ完全に俺の学生生活終了のお知らせじゃん。だってもう周りの目が全部俺に向かっててしかもゴミを見る目だもん。


「なあ、2人とも落ち着かない? みんなめっちゃ見てるよ?ねぇ? やめて? いや、やめてくださいお願いします! 」


俺は懇願したが2人は全く話を聞いていない。


「神野って誰? 」

「あいつだよあいつ、最近小牧さんとよく登校してくるやつだよ」

「え? あいつって小牧さんと付き合ってるんじゃないの? 」

「いや、その情報は古いぞ! あいつは大勢が見てる前で山上さんを俺の女って言いながら抱きしめてたし」

「あ! それ私も見た! 山上さんも満更でもなさそうだったよね! 」


周りの野次馬からも俺のやばい噂がどんどんと聞こえてくる。最悪だ!

そんな野次馬たちは









「私はいつも神野くんといつも一緒に寝ているのよ? これ以上の証拠がある? 」





この小牧の一言で全員無言になった。






あとがき


みんなおひさー元気してたー? (キモい)俺だよ俺? え?もう忘れた? いや俺だよオレオレ。あのちょう有名(嘘)作家の俺だよ?


はい。ということでお久しぶりです。一ヶ月以上更新がなかったのでみんなに忘れられてないか心配(そもそも誰もこいつのことなんか知らない)になっていた破魔由弦です。

まずはお詫びを。本当に申し訳ありません!

今まで1日1話とか2話ポンポンあげて量でPV稼いでヤラァ! って感じだったのにある日を境に急に連載が止まったらそりゃ誰だって気になりますよね? ね? …ね?


え? 僕だけ?


これからは少しずつ前のペースに戻せるように頑張りますので応援よろしくお願いします!

あ、でも僕、明日からテストなの。ごめんね!

ということで、来週あたりになればまだポンポン最新話が上がっていくはずなので皆さんもうしばらくお待ち下さい!

最後に、この物語が少しでもいいなと思ったらレビュー、応援コメント、小説のフォローなどよろしくお願いします! ではでは〜



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