第23話
状況を再確認しよう。
ドアを開け放ち、体にバスタオルを巻いただけの半裸状態の小牧。
俺の上に覆い被さり俺を押し倒ている(ように見える)山上。
山上に押し倒されている(ように見える)俺。
俺たちは全員たっぷり数秒呆然とした。
だが、程なくして一番最初に口を開いたのは小牧である。
「あなた、こんなところで何をしているの? 私がお風呂に入っている間に私の神野くんに何をしているの? 」
小牧は感情を爆発させるわけでもなく、冷めた表情で言った。
「い、いやいやいや!! 何で小牧先輩が先輩の家にいるんですか!? え? えぇぇ!? 」
「そんなの同棲してるからな決まってるじゃない」
「同棲はしてない! 」
俺は小牧の発言を否定する。
たしかに風呂には入れてやったがまだ今日寝ていいとはいっていないし、許す予定もない。
「せ、先輩、同棲…? でも、付き合ってないんじゃ…」
山上は困惑するように手をオロオロと彷徨わせた。
「ええ。だから婚約してるっていったじゃない。あとは年を待つだけよ? 」
「婚約はしてない!! 」
***
山上に同棲してないと説明するのに10分。
小牧に何で山上がここにいるのかを説明するのにもう10分。
その後に何で覗きに来ないのかを追及されるのにもう10分を使った。
もうすっかり時刻は8時を回った。
「はあ。もう2人とも遅くなってきたから帰ったほうがいいぞ?」
「私は隣だもの。まだ平気よ」
「わ、私も…とにかく大丈夫です!」
小牧はまだしも山上は明日だって学校があるのにこの家に夜遅くまでいるのはまずいだろう。
「ほら。帰るぞ」
俺は立ち上がり、山上を送るべく財布とスマホを持った。
「え? 送ってくれるんですか? 」
「何いってんだお前。こんな時間に1人で帰らせられるわけないだろ」
「私も行くわ」
「お前はお留守番だ。ていうかお前も帰れよ」
「嫌よ」
「はあ…そうかい。じゃあ留守を頼むな。俺の部屋のエロホ…俺の部屋を漁るなよ?」
「わかってるわよ」
小牧は全然わかっていないような表情で言った。ああ、せめて俺の
「今エロ本って言いませんでしたか? 」
「言ってない」
山上の言葉を否定して、俺たちは家を出た。
「お前の家はわからないから近くまで付いてってやる」
「ありがとうございます」
「ああ」
俺は山上から、適切な距離をとって歩いた。
「先輩。なんか遠くないですか? 」
「こんなもんだろ」
「むぅ〜…。小牧先輩の時はもっと近いのに」
山上はそう言って頬を膨らませる。いや、そんなこと言われても...。
「いや、あれは小牧が勝手に近づいてくるだけでな…」
決して俺から近づいているわけじゃないという旨のことを伝える。
「そうですか。じゃあ私から近づけばいいんですね」
というと、山上は俺に二歩、三歩と、近づき俺の腕に自分の細く白く、可愛らしい腕を絡ませてきた。
「はぁッ!? な、何してんだお前! 」
「先輩だって夜遅くのナンパ避けに送ってきてくれたんですよね? じゃあもっとしっかり私をエスコートしてくれないと! 」
山上の家の前まで、腕を組みながら歩き、家の前に着くとどちらからとも言わず腕を話した。
「じゃあな」
「先輩。明日も行きますね」
「いや、別に無理にこなくてもいいけど」
「私が行きたいんです! 」
「そうかい。じゃあ好きにしてくれ」
そんな他愛もない会話だけを済ませて、俺は帰路に着いた。
あとがき
やあ。破魔(厨二病のクソ雑魚陰キャ)由弦だよ。
名前だけなら佐藤健よりかっこいいよ!
あ、それ以外は何も勝てないよ?
俺の長所なんて名前を除いたら指が全部で20本生えてることくらいしかないからね。
おっと話が逸れてしまったぜ。もう2日ほど前の話になるのだが、この作品のpv数が1000を突破したぜ!ウェーイパチパチ。
ここまで読んでくださった皆さん。ありがとう!次は5000pvを目指して頑張るよ!
それからおいらはツイッターもやっているよ。カクヨムの現状報告や全く関係ない日常のつぶやきをしてるのからフォローの方をよろしく!
最後に読んでくれた人、ありがとう!
小説のフォロー、応援コメント、レビュー待ってるよ!!
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