第6話
いろいろあったがキャンプだぜ。なんかカッコつけたくなりました。今はバスの中。キャンプはそう遠くない山の中でやるみたい。だけど天候が生憎の雨。火起きるかな…。ってか変なこと起こさないようにしなきゃね。
「ねぇ、くるみちゃん!」
話しかけてきたのは彩月ちゃん。私の友達で今回同じ班の子。
「何?彩月。なんかあったの?」
「オヤツ!グミあげる!」
おぉ、ピュ◯ラルグミだ。
「ありがとぉ。好きなんだよね。三葉もいる?」
「ぅん?」
「寝てたか。ごめんね。彩月がグミあげるって。」
「え、マジ?貰うわ。」
三葉も私の友達で同じ班の子。明るい子なんだよ。
「ん〜。美味しい。」
すると後ろから女子の騒ぎに気がついてか男子が顔を覗かせた。
「何やってんすか。あ、グミじゃん。」
「いるの?」
「欲しいっす。」
今私の頭上でグミの受け渡しが行われています。いや、バス走ってる最中だよ?
何立ってるんですか。
「安西、座ってくえや。」
「すんません中宮さん。」
「え、グミ?いいな僕も欲しいです。」
ん?山下の声が…。なんかどんどん広がっていってる?
後ろを見れば残りの班員二人の男子が顔を出して手を伸ばしていた。
「俺にも/僕にもください。」
デジャブ。でもみんな明るくて一緒にいて楽しいな。
今回の班は私、彩月、三葉、の女子グループと安西、山下、村根の男子グループでできている。山下がいるのだ。ちょっと怖い。でも、これまで特に何も部活でも授業でも私と一緒になることはよくあったが何もなかった。心配のしすぎかな。バスの窓には未だに雨が打ち付けてはいるが心なしかよ弱くなった気がする。今日はキャンプを楽しもう。だって楽しみにしてたんだから。
「ねぇ、しりとりしない?」
「えー、いいけど。他にやるのは?」
「じゃあ、僕も。」
山下、と彩月。
「じゃあ、うちもやるー。」
三葉も。
「俺も。」
村根も。
「え、俺だけ?もしかして残ってんの。」
安西もやるかな。
「じゃぁ。しりとり!」
「リス!」
「スイカ!」
「カラス!」
「雀!」
「目!」
バスの中にはいろいろな会話が溢れかえっている。しりとりだったり笑い声だったり、いじり合いだったり。そんなクラスを乗せてバスは走る。高校生の青春はまだ始まったばっかだ。その始まりぐらいはしゃいでたって文句は言われないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます