第3話
風が吹いて靄が無くなるように、雲の合間から日が差し込むように、それは突然やってきた。
「_____で、あるから新入生の希望者の人はジャージが必要なだけかな?」
知らない人の声がして、意識が覚醒した。目の前が明るい気がして目を開けるようなそんな感覚を呼び起こす。そこにあったのは、外の景色だった。紛れもない、外の世界。しかしどっかおかしい。わたしが驚いても、目を今までつぶっていても誰も何も言わない。普通であったら怪訝な顔をするだろう。だがここにはたくさんの人がいるが全くそんなそぶりを見せないのだ。そこでわたしは気がつく。何か一枚ビニールシートを透かして見ている感覚なのだ。触ろうとするがまず、あるはずのものがないことに気がつく。腕がない。足も。身体が無いのだ。驚いてい頭がちょっとプスプスいうようなそんな状態になる。何故。わたしはもしや死んでしまったか。そんな突拍子もないことまで考えがいってしまう。
「ねぇ、中宮さん…だっけ?私、松本沙樹っていうの。入部希望?もしかして。」
人が来ている!ど、どうしようか。聞かれても今は答える口がそもそもない。何も話せないぞ…。それに、何か言わなきゃ今後大変なことになってしまう。どうしよう…。
「うん!入部したいなって。わたし、中宮くるみ。沙樹ちゃんって呼んでもいいかな?」
「うん!じゃぁ私も、くるみちゃんって呼ぶね!よかったぁ。女子一人だったらどうしようかって思ってたんだよね。」
この会話、私は一言もしゃべていません。そして今尚会話が成立している状態です。え、何故私が喋ってないのに何で会話が成立しているかって?それは私にもわからない。ってか今私それですっごい怖いんですけど。まず、私はこんな喋り方しません。次に、私の声で喋っているのが誰なのか全然わからない。でも、私の名前を知っている。そして声の発信元がここである事。何がどうなっているのか全くもってわかりません。
『ちょと静かにしてて。後で説明するから。』
え、今どこから私に話しかけてきた?!俗に言う心とか脳内に話しかけています的なあれ?!
『うるさい。静かにして。』
はい。すいません。あ、すっごい怒り方私に似てる。
その後は私はすごく静かにしてことが終わるのを待ってた。周りのみんなは疑っても無い様だ。そして今に至る。
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