第7話話が通じにくい相手

ボンッ!ボンッ!ボンッ!

老人の周りから発生している爆発によって、玄関は崩壊寸前だ。

距離を取ってから話かける。

「おじいちゃん。その爆発を止めてくれないかな?家がボロボロになっちゃうよ。」

「........。」

返事が返ってこない。

「やっぱり敵ぞよ!やられる前にやらないとだぞよ!!」

「ま、まって!聞こえてないだけかもしれない。.....もう一回言ってみる。」

大きく息をすいこんで、叫ぶように言葉を発する。

「おじいちゃん!!爆発をとめて!!」

「.........。」

またしても返事がない。


その後も、何回も何回も呼びかけてはみるが応答はない。

それどころか、ずっと動かないままだ。


だんだんイライラしてきた。


もう我慢できない。

「ああ!もう!おい、そこのクソじじい!!爆発を止めろっつってんだろ!!聞けよ!」

あっ。やっちゃった。


「......。キャラ変わってるぞよ。ルルロア。」


メグが若干引いている。

ちょっと言い過ぎたかもしれない。

大きな声をだそうとしたら、口調が荒くなってしまった。

こういうところ、直さないといけないのは分かっているんだけど....。


「おっと。これはこれは....。大変失礼なことをした。最近、耳が遠くてな。やれやれ。年には叶わんわい。」

老人が私たちの存在に気づいたみたいだ。

爆発が収まっていく。

私の声が届いたらしい。




「まずは名乗らせてもらおうか。ワシの名は、キングバーグ(kingberg)。......時代遅れの魔術士じゃよ。」


「私の名前はルルロア。こっちの女の子はメグ。よろしくね。」

「ヘルシアとモグであるか....。世話をかけるぞ。」


「名前違うよ!ルルロアとメグだよ!」

「う~む。最近の若い人の名前は難しいのぅ。.....ではルルルアとミグよ。改めてよろしくな。」

微妙に違う。

でも、もうめんどくさいからそれでいいや。


「キングバーグと言ったぞよな。なぜお前は爆発を発生させていたぞよか?敵だというのなら、容赦しないぞよ。」


しわが刻まれた顔を不思議そうにする。

しばらくすると、合点がいったと言わんばかりにうなずいて答えた。

「なるほどな。また魔術を無意識に使ってしまっていたんじゃな....。年のせいかは知らないが、制御できなくなってしまってなぁ。時々暴発するんじゃ。....それにしても、腰が痛む。どこかで休憩させてはもらえんかね。」


「歩く時限爆弾ぞよか!?危険すぎる。」


「じゃあ、談話室に案内するよ。客が来たらとりあえず、そこに入れとけってナンバーが言ってたから。」

「ルルロア!?今の言葉、聞いてなかったぞよか?いきなり爆発するかもしれないぞよよ。危険ぞよ。すぐにでも、追い返すべきぞよな。それに一人でここへ来ているんだから、追い出しても死にはしないぞよ。」

それはそうだけど....。

雪山に老人一人だけでほっぽりだすなんてこと、できればしたくない。

こういうのを道徳心って言うんだっけ。


「仮に爆発してもメグが、なんとかしてくれるでしょ?」

「わ、わらわに期待してくれるのは嬉しいぞよが......。咄嗟に対応できるかどうか.....。」

「大丈夫。なんとかなるよ。」

根拠はないけど。


「そこまで言うのなら、いいぞよ。ただし、死んでもわらわを呪うんじゃないぞよよ。お主に呪われるのだけはごめんぞよからな。」






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