第4話 新しい家族
「大変だよお兄ちゃん。」
「どうしたんだ?朝日。」
「だから、大変なんだよ。いいから、家に入れば分かるから。」
朝日に言われるがままに家の中に入った。
「え……」
俺は相当びっくりしてしまった。なぜなら新しく家族になる人は…あの…めっちゃ有名な人だったから……。
「おかえりなさい。今日からよろしくね、結城くん。」
「え、な、な、なんで僕の家に?」
「それは、ここに住ませて頂くからだよ。」
俺の手を胸元に持ってきた。顔が真っ赤になってしまった。言い忘れて居たけれど、この子は若手女優の花園桜。子役の時に朝ドラでデビューした超有名人だ。その後、いろいろなドラマやCMなどに出演した。
俺は父親の近くに行ってこう言った。
「すごすぎるだろ。なんで花園桜が家族になるんだ?。」
「へ、へ、どうだ。すごいだろ。」
父親の顔はニヤけていた。だけど顔の色は少し暗くも感じた。
「先日、交通事故でなくなってしまってたんだ……。」
「そうだったのか……。」
そんな悲しい悲劇があったのだと俺は知らなかった。 多分公表していないのだろう。
何故父親が花園桜を知ってるのかは考えないようにしようと思った。
朝日と一緒に階段をのぼった。
「すごいよねこれ。めっちゃ嬉しくない?お兄ちゃん。」
「嬉しい。」
結城の顔の色は赤らめていた。
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両親は仕事に行ってしまった。夕食を3人で食べていた。今日は俺の好きなハンバーグだったのだ。美味そう。ヨダレがでそうになった。
「このハンバーグは誰が作ったんですか?。」
「朝日が作ったんだよ。桜さん。」
「桜さんじゃなく桜でていいよ。それか、お姉ちゃんでもいいけど?。朝日さんが作ったんだ。美味しい。」
「でしょ!。美味しいよね。」
やはり共感できる人がいると嬉しいものだ。
「今度料理教えてほしいな?。」
「え、あ、はい。お口にあったなら良かったです。いつでも教えるので声掛けくださいね。」
朝日はすごい嬉しそうだった。初めてこんな有名人と話したからだろう。
「そういえば、学校は百合高校にくるんですか?。」
「ええ、明日から行く事が決まってるわ。どんなとこか分からないから一緒に行きたいな。」
「分かりました。」
そう話した後俺は自分の部屋に戻った。
「今日は色々疲れたな…。早く寝ようかな。」
俺は自分のベッドに入った。
桜さんは俺の初恋の相手なのだ。その人が家族になると言われて嬉しさが隠せなかった。手紙をくれた人は桜さんだといいなと思った。それはないなっと思ったけど、明日に備えて寝ることにした。
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