第44話 輸送作戦 ―Boys' war―
そして遂に訪れた、試験本番。
午前中の筆記試験を終えて『VRダイブ室』のエントランスホールへと集合した一年A組の生徒たちは、担任の矢神キョウジのもとで作戦の最終確認を行っていた。
「期末試験は中間試験と様式が異なる。作戦の制限時間は本日の23時59分、それまでに任務を終えれば合格点だ。これまでもホームルームで何度か言ったが、ここでおさらいしておこう」
キョウジはクリップボードに視線を落として概要を話し出す。
彼の周りに集う生徒たちの面構えは以前の試験前よりも引き締まっていた。【異形】フラウロスへの敗北から再起して戦いに臨もうという彼らに、大きくなったな、と担任は胸中で呟く。
「今回の試験で行うのは輸送作戦だ。与えられた物資を特定のポイントにそれぞれ補給する。全ての荷物を所定位置に置き、目的地に到達すればそれで作戦はクリアとなる」
「あの、一応確認しときたいんですけど……それってつまり、【異形】と戦わなくてもゴールに着きゃOKってことですよね?」
訊ねたのは長い茶髪をヘアバンドで留めた少年――余談だがこの髪型は元レジスタンスの湊アオイに憧れてのものである――、日野イタルだ。
彼の問いに頷くキョウジだが、「ただし」と前置きしてから補足する。
「教師の立場からあまり詳しいことは言えないが、【異形】と全く遭遇しない、或いは倒さないで前期の期末試験を終えたクラスはこれまでに例がない、とだけは伝えておく」
ごくりと喉仏を動かすイタル。
シバマルは彼の肩をポンと叩き、珍しく大真面目な口調で言う。
「日野っち、やめるなら今だぞ。参加すれば後戻りはできない。これから始まるのは本当の戦闘なんだ」
「や、やめねぇし! な、なんだよ犬塚、お前、そんなキャラじゃなかったじゃんか!?」
「……ま、今言ったの全部レイ先生の受け売りなんだけど。――日野っちはともかく、他の皆も覚悟はできてるよな? できてないなら、参加をやめてもいいぞ。作戦中に勝手に離脱されちゃ困るけど、作戦開始前ならプランの変更も間に合うからな」
喚くイタルを適当に流しつつ、シバマルはクラス全体を見渡して確認した。
頷く者、「覚悟はできてるよ」と意思表明する者、ぴりついた表情で腕組みする者。各々様子は違ったが、降りるために手を挙げた者は一人もいなかった。
次に口を開いたのは、レイである。
「今回の作戦では、事前に内容がクラスの『指揮官』として登録されているボクの手元に届いています。全クラスに同じものが配られているわけですが、このクラスは『欠員』が出ていますからボクのほうで修正を加えておきました」
中間試験に参加しなかった十二名は既に「不適格」扱いとなり、クラスを去っている。
他クラスが三十人で行う作戦に、残る十八名で臨まなくてはならないわけだが――このクラスならそのハンデも乗り越えられるとレイは断言した。
「このクラスの全体的な実力の水準は、前回の試験の頃と比較して確実に上昇しています。地道な特訓の成果もそうですが、風縫さんたちが『ラボ』で皆に合った武器を製作してくれたこともプラスです。――皆、共に勝ちましょう。生きるために――未来を掴み取るために」
決意を、覚悟を、意思を共有する。
以前ならその役割を担っていたマナカに代わって、握った拳を掲げてレイは言った。
一同が頷くのをしかと見届けた彼は、それから淀みなく作戦の配置を読み上げていく。
「今回の作戦では部隊を大きく二つに分けます。物資の運搬部隊とその護衛部隊。運搬部隊は四名、護衛は十四名で構成します。後者のうち、四名は遊撃隊として扱います」
運搬部隊はユキエをリーダーとし、ヨリやイタル、他一名が選出された。
彼女らと並走する八名の護衛はレイをはじめ、マナカやイオリ、シバマル、リサと他五名。
遊撃隊はカナタ、ユイ、カオル、カツミの四名で、リーダーはもちろんカナタだ。
「物資を届ける場所はポイントA~Dの四つ。各ポイントでは、運搬する物資と引き換えに補給を受けられるようになっています。ですので武器の損耗はそこまで意識せずとも大丈夫です。今回は『物資の運搬・補充任務』を経験する、というのがカリキュラム的に最も重視されるところですから」
「ってかレイ先生、ガチで先生みたいじゃん。こっちのほうが意外と向いてたりして」
「茶々は入れないでください、駄犬。――詳細はSAM搭乗後、モニターのマップを見てもらった上で再度伝えます。では、行きましょう」
そう告げて足早に『VRダイブ室』へと向かっていくレイ。
彼の後にカナタら他の生徒たちも続くのを見送るキョウジは、無精ひげをさすりながら掠れた声で呟きをこぼした。
「犬塚くんの言うとおり、平和な時代だったら優れた教員になる子なんだろうなぁ」
だが、悲しいかな、早乙女・アレックス・レイの生まれたのは【異形】が地上に跋扈する戦乱の時代。
SAMパイロットとして頭抜けた実力を有している彼は、おそらく死ぬか『同化現象』を起こすまで前線に立ち続ける運命にある。
それを強いるのは自分たち大人だ。責任は負わねばならない。
(命を大切にすること。人を守ること。仲間を信じ、助け合うこと。綺麗事かもしれないが……平和を目指すなら忘れてはならないことだ。戦場にあっても優しさは捨ててはならない。優しさと甘さは、違う。『レジスタンス』にいた頃は仕事に忙殺され、パイロットらに伝える間もなかったが――今なら)
キョウジはスマホを懐から取り出し、今思ったことを打ち込んでいく。
彼らが戻ってきた後、文書と口頭でこれを伝えるのだ。
観戦のために二年、三年の生徒たちが徐々に集まってくる中、キョウジはホールの壁際に背中を預け、正面の大モニターに映る『第二の世界』の光景を眺めた。
*
【ラジエル】に乗り込んだカナタは、操縦席に座る前にふと立ち止まった。
身体に密着した『アーマメントスーツ』の締めつけが、いつもより強く感じたからだ。
『第二の世界』での衣装設定はメインコンピュータ『エル』が各生徒に最もフィットしたサイズにしており、違和感を覚えることはないはずだった。
(それなのに……どうして? 感覚過敏……まさか、僕もマナカさんみたいに『同化』が進んでるのか?)
胸に手を当て、深呼吸する。
(落ち着け。試験前に緊張してるだけだ。ちゃんと昼ごはんは食べた。トイレにも行った。レイから作戦も聞いた。遊撃隊のリーダーとしてやるべきことは、昨日のうちに把握してる)
この違和感は不安による症状だと言い聞かせるために、少年は自己を安心させる言葉を並べ立てた。
両頬を叩き、頭をぶんぶんと振った彼の目に、恐れはなかった。
「い、行こう、【ラジエル】。ぼ、僕らの目指す場所へ」
操縦席に掛け、ヘッドセットを装着。
瞳を閉じて、脳内に流れ込んでくる情報の奔流を受け入れる。
身体の感覚が自身の肉体から、機械のそれへと移り変わっていく。
「ぼ、僕は君で……き、君は、僕だ」
人か、機械か。片側だけに主導権は握らせない。人の心と機械の身体が重なりあっていても、決して完全には溶け合わせない。
「――こ、こちら月居カナタ。ゆ、ユイさん、風縫さん、毒島くん、準備はできてる?」
「はい。いつでも行けます」
「そろそろ下の名前で呼んでくれてもいいのに――なんて、今言うことでもないか。もちろんOKだよ、カナタくん」
「当たり前だろうが。この日のために準備してきたんだからよぉ」
同じ遊撃隊に割り振られた三名に通信を繋げるカナタ。
緊張を漂わせながらも恐れてはいない、毅然とした表情で答えてくれる仲間たちにカナタは笑みを返した。
ウィンドウに映る三人の顔も、思わず緩む。
「余裕そうじゃねぇか、コネ野郎」
「ま、まぁね。た、戦うこと自体は怖くないよ」
「戦うこと自体は、ねぇ。不安材料は別のところにある感じ?」
「……き、気にしすぎじゃない、か、カオルさん?」
カナタの発言から彼の心を読み取ったカオルだが、彼にはぐらかされても食い下がるだけの愚かさはなかった。
パイロットの心を無駄に掻き乱す必要はない。それが部隊のリーダーとなれば、なおさらだ。
本人が大丈夫そうなら無理に聞き出さなくても何とかなるだろう。
「れ、レイ、僕たちはいつでも出せるよ」
「承知しました、もう少しだけ待機していてください」
レイにそう命じられたカナタはモニターのマップに視線を移した。
今回の戦場は、『新東京市』直上の丹沢基地から箱根基地までのルート。山間の道を南下していく都合上、地図上の直線距離よりもかなり長くなる。
『レジスタンス』が整備した道も『第二の世界』にはリアルタイムで反映されているため、道路の老朽化による足場の陥落という事故はないだろうが――これまでに移動したことのない距離だ。ペースを考えて走行しないと、補給を待たずに燃料切れなどという失敗も有り得る。
(道の脇に林があるし、『ワイヤーハーケン』での立体機動術を行うには申し分ないか。市街地に出た後は高層ビルがないから、カオルさんたちには地上で戦ってもらうことになるけど……)
地形の条件を確認し、地図上のルートを頭に叩き込んでいくカナタ。
目に映る景色も普段より鮮やかに見えるのを意識しつつ、彼はレイの号令がかかるのを静かに待っていた。
「これより、箱根基地への物資輸送作戦を開始します。――総員、出撃!」
全てのSAMが配置につき、装備・荷物も万全。
出立しても問題ないと判断したレイは、高らかに作戦の始動を宣言した。
格納庫の門が開き、隊列を組んだSAMたちが真新しいアスファルトの道を進行していく。
道の左手に見える湖の青、右手にある森林の緑、聞こえる鳥のさえずり、SAMの車輪が道路上を駆ける低い音――【ラジエル】と『シンクロ』状態にあるカナタは、それをダイレクトに感じていた。
かつてはキャンパーたちがよく通ったであろう林道には、敵の蹂躙の跡はない。自然の息吹を肌で感じながら、のどかな通路を少年たちは行く。
「一見穏やかな風景に見えますが、これでも戦時下です。いつ敵が襲来するか分かりません。こういう自然は【異形】が潜むには格好の場所ですからね」
少しでも気を緩めてしまえば、そこに付け込まれてしまうかもしれない。レイの言葉に全員が意識を引き締め直し、整然とした隊列を崩さずに一定のペースを保っていく。
レイが選択した部隊の陣形は、「魚鱗」であった。
中心が前に張り出し、両翼が後退した形の陣である。上空から俯瞰すると三角に見える陣形の底辺に守るべき運搬部隊を置き、その前方に護衛部隊を配置。こうすることで、前方から来る敵の攻撃はほぼ確実に防ぐことができるのだ。
反面、後方からの奇襲が弱点となるが――それは斥候の役割も受け持つカナタたち遊撃隊が受け持つ。
指揮官機であるレイの【メタトロン】はユキエたち運搬部隊の四名の後方、陣形の殿(しんがり)を務めていた。そこから部隊全体を見渡し、モニターの地図と睨めっこしながらレイは適宜指示を飛ばしていく。
最初に敵が現れるのは、それから間もないことだった。
「――センサーに反応あり! 南に2km先の森林内から、複数の敵がこちらへ接近している模様!」
陣形の最前線からイオリの声が飛ぶ。
通信を受けたレイは直ちに全部隊に警戒を促し、自身も【太陽砲】のスコープを覗き込んだ。
敵がいると予測される地点の周辺には、鬱蒼とした木々が見えるのみ。少なくとも巨大な個体の多い『一等級』――『レジスタンス』は【異形】を強さ別に一~三等級まで分類している――ではないだろう。
二等級以下の小型【異形】を複数相手取るのは、A組にとって初の経験だ。多対多の戦闘訓練は、正直十分に出来ているとは言い難いが、今の彼らなら突破できるとレイは信じている。
「み、みんな、敵の姿が見えたよ。さ、三等級の『獣人型』が多分十体以上いる。お、おそらくは群れだ。見たところ狼タイプの『獣人型』だから、仲間同士でしっかりとした連携を取ってくるはず。じゅ、十分に警戒して、決して一人で相手しないようにするんだ」
カナタは上空から目標を俯瞰し、猛禽類のごとき高性能カメラで木々の僅かな隙間から敵の姿を捉えていた。
彼の忠告に従って仲間たちが各々声をかけ合いながら、散弾銃や『毒液銃』を構えていく。
そして――敵は、音もなく現れた。
「敵出現! 撃て――ッ!!」
道路脇の森林から集団で飛び出してくる、灰色の毛並みを持つ『獣人型』の【異形】。
その影を認めると同時にレイの叫びが轟き、次いで銃声の重奏が響き渡った。
ドドドドドドドドッ――!!
銃口が火を吹き、眼前の怪物どもの胸や頭部を着実に吹き飛ばしていく。
「よっし! いけるぜッ!」
「気を抜いてはいけませんわよ! ほら――当て損ねたものが、来ますわ!」
ヒュウと口笛を吹くシバマルへ、彼の隣を受け持つリサが叱咤する。
仲間を盾に銃撃の雨から逃れた数体が陣形へ迫ってきたのを目ざとく捕捉した彼女は、二丁拳銃を軽快に鳴らして敵の急所を連続で打ち抜いた。
「逃がしませんわ」
一体を倒したと思えば、流れるような銃捌きで二体目、三体目を沈める。
脚を撃って動きを封じ、止めは味方に任せたリサは得意げに笑ってみせた。
「ふふっ、どんな撃ち漏らしも私がカバーしてみせますわ」
「やるね、神崎。俺も見習わなきゃな」
標準装備の銃剣から軽量の二丁拳銃へと武器をシフトし、パフォーマンスを上げたリサをイオリは賞賛した。
『ラボ』で作製した自分にとって最適の武器をそれぞれが装備し、一部の機体にはカスタマイズもしたことでA組の戦力は格段に上昇していた。
「敵は掃討された! 進行を再開する!」
三角形の陣形の頂点、つまり部隊の先頭を務めるイオリは皆へそう指示を出す。
黒髪の少年には、レイがリーダーだからといって全ての指示を彼に委ねるつもりはなかった。現場の兵として――レイに護衛小隊の頭を任された身として、やれることは自分でやる。
戦場で果敢に敵に挑んだ父親や兄たちに恥じない戦いを、イオリはするのだ。
「っ、センサーに再度複数の反応あり! 500メートル先の森林地帯だ! ……ちょっと待て、何だよこの数!? ざっと見ても百以上いるぞ! 月居、ユイ、敵の種類は!?」
「そ、それらしきものは何も……ゆ、ユイさんは?」
「私のほうも、ダメです。おそらく、地面に潜るタイプの敵かと」
これも初めて遭遇する型の【異形】になる。
一等級の【異形】――『魔道書(ゴエティア)』に記されし固有名付きの個体と異なり、二等、三等級のものは飛び抜けた強さを持たない代わりに多様性を強みとしていた。
現実に存在する生物の種を模したような姿をした彼らの武器は、「数」。
機体数に限りのあるSAMに対し、地上に蔓延る二等以下の【異形】はほぼ無数に存在する。昆虫のごとき早い世代交代を繰り返し、この二十年で進化を重ねた彼らは、見方によっては「変化」をしない一等級の七十二種の【異形】よりも厄介なものといえた。
「でしたら、【太陽砲】で地上に出てくる前に焼き殺したほうがいいかもしれませんね。君たちの残弾には余裕を持たせておきたいですし」
「う、うん、頼むよ。で、でもそうすると、ルート変更が必要になるね」
「迂回路になるけど、次の分岐で右に行けば【太陽砲】の爆撃範囲からは逃れられそうだな。――早乙女、それでいい?」
十八番の砲撃をここで一発使おうと提案するレイに、カナタは頷きを返した。
だが【太陽砲】は高い威力を持つ反面、広範囲を焼き尽くす諸刃の剣だ。一歩間違えば味方を巻き込み、進軍ルートも崩してしまいかねない。
そのリスクを避けるにはルート変更しかないのだが、そちらを採ると目的地到着の制限時間に間に合わなくなる恐れがある。
かといって【太陽砲】を用いずに正面から百を越す軍勢とぶつかるわけにもいかないだろう。いくら最新鋭の機体を有しているとはいえ、こちらは寡兵だ。数の暴力が単騎の強さをあっさりと押し潰せることを、レイは当然知っている。
「分かりました。その分進軍ペースは上げましょう。魔力消費が気になるところですが、ここを越えれば次の補給地点に着きますからね」
「了解。ありがとな、俺の提案呑んでくれて」
「エリートは仲間の意見もきちんと聞くものなのですよ。――頼もしくなりましたね、七瀬くん」
クラスメイトの成長に思わず口元を緩めるレイ。
彼は【太陽砲】の起動シークエンスを手早く済ませていき、その間もイオリやユキエと今後のプランについて話し合った。
「いおりんに指揮官の資質があったなんてなぁ。クソッ……前からやるやつだとは思ってたけど、何か追い抜かされたみたいで悔しいな……」
「あら、駄犬(あなた)にしては弱気な発言ですこと。いつもの貴方なら、『追い抜いてやるぜ!』とか底抜けに明るい笑顔で言いそうですが」
一回り大きくなった友を見るシバマルの声音には、はっきりとした羨望と思うように強くなれない自分への苛立ちが滲んでいた。
リサは珍しいシバマルの様子に眉をひそめる。
「……おれさ、実はまだ怖いんだよ。この前『フラウロス』に見せられた光景が、今も頭ん中に焼きついて離れない。それでも戦おうってここに来たんだけど……あーっ、ダメだなぁおれ! なんかさっきからずっと、脚が震えっぱなしだぞ!」
「ユイさんが見てますわよ、駄犬。男の子なら、好きな女の子に格好いいところ見せないと。貴方が逃げずに敵と戦えば、ユイさんも少しは興味を持ってくれるかもしれませんわ」
震え声で喚き散らすシバマルにどういった言葉が効くか、約四ヶ月の学園生活の中でリサも学んでいた。
彼は単純だ。一目ぼれした人に振り向いてもらえるかもしれない――その可能性が一抹でもあれば、全力で努力できる人間なのだ。
「よーし! おれ、頑張るからな! 頑張ってユイを振り向かせて、ファーストキスとヴァージンをもらう! 絶対絶対絶対ッ、もらってやるぞーッ!!」
「……火が付いたのは良いですが、少々品がないですわね」
「好きに言え! おれはやる気だぞ!」
下半身に直結した思考に溜め息を吐くリサと、彼女の言葉も意に介さないシバマル。
二股の分岐点で本来のルートから外れ、ペースを早めて彼らは前進していった。
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