黒川さんとの出会い 前編

 私は結局一人で教室へ向かっていた。教室は本館の2階の最奥から一つ手前に位置する。最奥は5組だ。廊下には大抵2、3人で喋ってるであろうグループをちらほら見かける。1組から4組までの道のりは長い。その間を一人で歩いてると数々のグループに見られる。


 ううう……しゃんとしなきゃしゃんと、そう心の中で言いかけるとしっかり背筋を伸ばして歩く。


「うわ、すごい綺麗、なにあの子?」


「あれよ、孤高の美人で有名な大原さんよ、知らないの?」


「へぇー」


 え?なに?「うわ、すごい絵にかいたようなぼっちw、なにあの子?」?

「あれよ、ゴミのビッチで有名な大原さんよ、知らないの?」?

 そんな会話が聞こえてきた。


 やばいこのあと焼きそばパン買わされる流れだ!


 私は早急に廊下を駆け出し教室へと向かっていた。周りの景色が風のように流れ、動悸が高くなる。バクバクと破裂しそうな勢いだ。また会話が聞こえる。


「え、ちょまってよ」


「話がしたいんだけど」


 あぁぁぁぁーー焼きそばパン買わされるぅぅぅ!


 私はさらに足の裏の母指球に力を入れ前かがみになる。腕はちぎれるほど振り、運動が苦手なのに全力で走ってる代償か、さながら奇行種のような走りだった。まぁ端的に言うときもい、きもすぎた。そんな勢いで教室の教卓側のドアから入った。


 ドーン!


 思い切りぶつかった。当たり前だ、あんなスピードで走ったら。ぶつかったのは一人の黒髪ショートの子。すごいじろじろ見られてる。とりあえず謝らないと!私は息を切らしながら、しかし誠意をちゃんと伝えるように大声で言い放った。


「しゅ、しゅみませんでしたぁぁぁー!!焼きそばパン買ってきますぅぅー!」


 また私は焼きそばパンを買いに、さながら奇行種のような走りでその場を後にした。残された少女は一度驚いた表情は見せたものの興味ありげな目をしていた。

 しかし外野は


「え、なにあれ大原さんだよね?」


「焼きそばパン買ってくるってどうゆうこと?」


「きっと話しかけられるのがやだったんだよ、だから焼きそばパンを理由に」


「そうだね、大原さんには話しかけないようにしよ」


「うんうん、しかし焼きそばパンとは?」


 まふゆはさらにボッチ度が深くなってった

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