???side

「クスクス」


画面いっぱいに映るマヌケ面を見てると笑いが止まらない。


「パーパっ!パパ楽しそうっ」


「んー?楽しいよぉ

ーーも、もう少しでママに会えるなぁ」


「ママ?会える?えへへ」


頬をおさえヘニャっと笑う。

その頭を撫でながら幾つも並ぶモニターを眺める。


「彼女はどんな顔をするのかなぁ。

お前も気になるだろ?」


「んーとねっ!ニコニコ笑顔っ!」


幸せそうに笑ってモニターを眺める我が子。

だけど、その予想は残念外れです。

彼女は、きっと我が子を見て泣き僕を見て警戒する事だろう。


「あ、ーーはここから先はまだ見ちゃ駄目だよ。

こっちの絵本読もうか」


「あいっ!」


モニターには、四肢を切断されるヒロインだった女と元王子。

話的にそのまま見世物小屋に売り飛ばすみたいだね。

王妃は裏街の奴隷商へ。

国王は声帯を切られ王子達と共に見世物小屋か。


フフフ…物語は…順調に進んでいる。


僕は只このまま…歪みがないよう…時を進めるだけ。


全ては彼女を確実に手に入れる為に

そして…僕が彼女と幸せになるために。


さぁ、皆僕の手のひらで踊り狂ってくれ。

操られてるなんて知らずにその感情を爆発させてくれ。


どうか、僕に面白いモノを見せておくれ


「パパが楽しそうだとーーも楽しいっ!えへへ」


「フフフ、そうかそうか。

それじゃあ、ーーに面白い物語を教えてあげるよ。」


これは、僕と彼女の物語。


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