チナside

「チナ様、チナ様に骸から手紙が…」


「あ、ありがとう!

んー、なんだろう」


骸から送ってくるなんて珍しい事もあるもんだなぁ。

そんな事を思いながら手紙を読むと


姫様の希望でチナの国へ行くことになった。

会いたいなら至急国へ戻れ


「!?うそっ!やった!」


姫様に会える!しかも一番最初に僕の所に来てくれるなんて…っ!!

嬉しくてピョンピョン飛び跳ねてしまう。


「ミヤネ!お別れちゃんと言った!?」


王妃の耳元でミヤネが何かを囁くとサァーっと血の気が引いた顔をして口をパクパクさせていた。

ミヤネは王様にも何か言うと王妃と同じ様なリアクションだった。

何を言ったんだろ?


「はい。」


「それじゃ、早く行こう!

早く行かなきゃ間に合わない!!」


姫様の為に色々準備しなきゃ!


「は、はいっ!」


「それじゃあ、最速で国へ帰るよ!

皆行くよ!」


仲間の中でも一際大きい狼の背にミヤネを乗せ僕も乗った。


「セッカ達!後は任せたよ!」


セッカ達の返事など聞かず僕は城から飛び出した。


「急にどうしたんですか?」


「ん?姫様が来るんだって!早く行かなきゃ会えないじゃん!何ヶ月ぶりかの姫様なんだよ!?

会えなかったら泣くよ!?」


「ティアラ嬢が…。

チナさん、私の事は…ティアラ嬢には言わないでくれませんか…?

まだ…彼女に会えません」


「ん、わかった。

ミヤネが会いたくなったら会えばいいよっ!」


ポンポン僕より大きいミヤネの頭を撫でる

ミヤネは僕より大きいくせに、捨てられた子犬みたい。


「…ありがとうございます」


「さっ!帰ったら忙しいよ!!」


姫様の好物も作らなきゃだし

姫様が泊まる部屋も飾らなきゃ!

それにミヤネの部屋も作らなきゃだし、ミヤネを街の人に紹介もしなきゃ


帰ったらやる事沢山だ!


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