第3話
「え、こっからどうしろと…」
何かよく分からないところで無理矢理下ろされて馬車はダッシュで居なくなってしまった。
周りを見渡してもデカイ岩だとか枯れた草木だとかしか見えません。
「魔神に、ぱっくんちょされるか餓死かどっちが先かなぁー
どうせ死ぬなら痛みを感じる前にポックリ逝きたいなぁ…」
どうせなら、死にたくはないけど
流石に前世では普通の人だった私がサバイバル技術だとかもってるはずもないし…
「…誰だ」
「ぎゃっ!?」
突然話しかけられて驚き過ぎてとても女の子とは思えない声が出たんですが!!
声がした方…私の後を振り返ると
そこには、黒いローブの少年?ギラギラ光る赤い目がローブの隙間から見え隠れする。
小さいけど少年…なのかな?
声は青年なのだけれど
「えっと…ティアラ・チュードリッヒ…
あっ、もう家名は名乗れないか…
ただのティアラです。
魔神様の捧げ物として送られてきました。」
立ち上がりペコッと頭を下げる
「…捧げ物の予定はないはずだが?」
「そう言われましても…私は実際そう言われ此処まで連れて来られましたし…」
そう言われても困ってしまう
「…帰れ。
人間の捧げ物はいらん。」
スタスタ私に背を向け歩き始める魔神
「いやいやいや、少し待たれよ!!
そう言われても困りますって!
返品きかないんです!クーリングオフとかないんです!!」
スタスタ歩く魔神を止める為ローブにしがみつくけれど
そんなのものともせずスタスタ歩く魔神
「良くわからん事を言うな。
俺はいらないと言ったんだ。帰れ」
冷たく突き放すように放たれた言葉に少し怯む
「何処に…帰れと言うんですか…っ
良くわからないけれど言いがかりはつけられるし
親には捨てられるし捧げ物として連れてこられたのに
それすらも拒否されて、じゃあどうすればいいんですか!!」
我慢していたモノが溢れ出る。
子供みたいに泣きじゃくる私をギョッと見てオロオロする魔神。
「と、取り敢えず泣くんじゃない!
俺は慰め方等わからんのだ!」
「ふぇええええええんんんっ
だだっ…ぎゅっでじでぐだざぃいいいっ」
フワッと抱きしめられ魔神が小声で
こ、これでいいのだろうか?とか
力加減が難しい…とか言ってるのを聞きながら私はただひたすら子供みたいに大声で鼻水垂らしながら泣いた
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