第52話ゆっくりした日
「結局あれだけか。疲れたしいったん戻るか」
「お帰り」
「起きてたのか？」
「前ルイスに新しいことを始めることも必要だった言われたのを考えてたの」
「そーか」
「そう。で、何かわかったの？」
「決定的なものじゃないけど一つ情報を得ることはできた」
「どんなもの？」
「これだ、書き写してきた」
「なんか、なんで禁書庫にって感じの内容だね。逆に怪しい」
「そーなんだ、まぁ何か隠してるだろうな」
「こんなの禁書庫に置かなかったら気にも留めないのに」
「わからないぞ。確かに禁そこにあるからこそより不可解だが多くの人の目に触れる可能性があるというのは避けたいんだろ。そもそも禁書庫にあれば絶対にみっられないからな」
「そうか。見られないっていうのが前提だもんね。禁書庫で見るから不可解とかの話じゃないんだね」
「そーゆーことだ」
「でも最高司書様は知ってるんじゃないの？」
「この本自体を知っている可能性は高いだろうけど内容を完璧に把握しているわけじゃないと思う。それならダイバーのほうが可能性がある」
「あーなるほど確かに。もし調べてるんならみてるだろうね」
「あぁ、機会があれば話をしてもいいかもしれない」
「だね。にしてもこれだけじゃ決定的だと思えるような答えは出せないね」
「そうだな。次を当ってみる必要がある」
「次って？」
「魔物学者と魔人学者のところ」
「やっぱりそうなるよね。」
「そうだな。今日はもう休もう」
「はーーぁ、そうだね。眠い。」
「あぁお疲れ様」
「おちゅかれ～」
昨夜のアデス邸（ユリアの元婚約者の家系）
「父上お話があります」
「なんだ」
「ルイスというものに決闘を申し込もうと考えています」
「本気か。」
「はい」
「何がそこまでさせる」
「彼女は良い方です。私こそがもらい受けたいと考えています。理由はそれだけになります。」
「なるほど。それが今のお前の答えか」
「はい。」
「わかった。正式な手続きをしておいてやる」
「ありがとうございます」
「うむ。ルールは一般的なもので良いな」
「はい。問題ありません」
「希望日時はあるのか？」
「ルイスに合わせます」
「そうか。わかった。決まり次第伝える」
「わかりました。失礼します」
「おはよー」
「おはよう」
「今日はどうする？」
「今日はゆっくりしようと思っている。実家に手紙とかも出したいしな」
「確かに王都に来てから忙しい日が多かったからそれもいいかもね」
「あぁもう一度しっかり王都観光でもしよう」
「そーだね！楽しみ！」
「超絶においしい料理が食べたいな」
「ルイスは食事の事関してはうるさいからね」
「まぁ食事は一生で絶対に何回もしないといけないものだしこだわっていくべきだろ」
「そうだけど。文化と言うか、今は魔王がいるから特に食事にこだわろうって人は珍しいもん」
「ただ貴族はそうじゃないだろう？」
「貴族の多くは高級なものを口にしてるけど、それがおいしいかどうかは気にしてない人が多いの。味付けとか料理の丁寧さとかいろいろ、そこまでこだわってる人が少ないと思うよ」
「なるほど。ただそれはよくないな」
「そう？別にみんなが食事にこだわっていることとは関係なくない？」
「ほんとにそう思うか？」
「え、えぇ」
やっぱりそこらへんはこっちの世界の住人と言うことか。
「食事にこだわる人が多ければまずい店には足を運ばないだろう。ならどうするかというと客が来るようにおいしくしようと勉強、研究するってわけだよ」
「なるほど。確かにそうだ。当たり前のことだ」
「だろ？いい料亭に一つレシピを提供してもいいかもしれないな。とびきりおいしいものができればさすがに食事の大切さと質に気づくだろう」
「また新しいことを始めるの？」
「まぁ必要なことだしな」
「ほんと、なんか、なんでもやって。もはや変」
「悪いことじゃないだろう」
「そうかもしれないけど．．．」
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