第47話帰省

「信じられない」


「だな」


「ルイスのあの魔法何!?旅が快適すぎたんだけど!」


「まぁまぁ落ち着いて」


「私も最初びっくりしました。下手な宿より快適ですから...」


「だよね!」


「魔法は好きだいっぱい練習したんで(笑)」


「「「「「そういうレベルじゃない(じゃねぇ)」」」」」


「ま、まぁ快適に過ごせることはいいことじゃないですか!」


「何言っても無駄ね。」


「あぁ自分の非常識さがわかってねーな」


「そんなにですか?」


「そんなにだよ」


「...まぁ適度に気を付けます」


「ほんとに気を付けないとだめよ。それじゃ明後日の昼ギルドで集合でいい?」


「はい。それまでに辺境伯の次男として商会に連絡入れときます」


「お願いね。じゃあまた」


「お願いします。失礼します」




「まず宿?」


「いや、ご飯食べながら手紙書いて送るよ。宿はそのあとにしよう」


「わかった」



「王都はやっぱりすごいにぎやかだね」


「そうだな」


「これから忙しくなるかもしれないし、今のうちに散策するか」


「そうだね」


「実家に行くのは明日でいいんだな?」


「うん」


「わかった」




「ん?あれはユリア様じゃないか?」


「あぁ...ユリア様だな。たしかハンブルクの学校に行ってるはずじゃ。」


「うん。そのはずだ。もう一人後ろに歩いているな、知らない人だ」


「男じゃないか?まさか男見つけて帰ってきたのか?」


「あのユリア様がそんなことで帰っては来ないだろう。」


「じゃあなんで男連れて今あそこを歩いてるんだよ」


「なんでだろうな」


「なんでだろ...」




「お久しぶりです。ユリアです。こちらはパーティーメンバーのルイスです。通してもらえますか?」


「はい!しかし、ルイスは一応身分の確認できるものの提示と武器を一時的な預かります。」


「当然ですね。従います」




「よし問題はないようだな。武器は特に問題を起こさなければ帰りに返す」


「わかりました」




「お久しぶりです。お父様、お母様」


「あぁ」


「久しぶりねユリア、元気だった?」


「はい。」


「何故今ここにいるんだ?そしてその男は誰だ?」


「ここにいる理由は、冒険者としての資格をもらえたので、学校をやめ旅をしていたからです。それについて報告できずすみませんでした。この人はルイスと言い、私が冒険者資格を得ることができた理由もルイスのおかげで、今はパーティーとして一緒に行動しています」


「なるほど。まずなぜ冒険者学校を卒業できた?」


「はい。ルイスが私が魔法を扱えない理由を発見してくれてそれを解決してくれたので、魔法が使えるようになり実力を認めてくれたからです。」


「実力があっても卒業できないだろう」


「ルイスが仮冒険者として依頼をこなしているときに、偶然起こった異常事態に遭遇し解決したことで国王様や領主様の耳に入り優遇してもらえるよういなりました。その時に私もつれていきたいと言ってくれてテストしました」


「理解した」


「ルイスはパーティーメンバーであり、頼れるリーダーであり、私の問題を解決してくれた恩人であり、恋人です」


「恋人か。魔法が使えるようになったことは喜ばしいことだ。もちろん魔法が使えるなら戻って来いというつもりはない。私はひどい仕打ちをしたと考えているからな」


へぇ。思ってたより正常なんだな。何か言われると思ったが。


「しかし、恋人とは別れてもらう。すでに婚約者は決まっている。冒険者活動については、結婚するまでは適度に行えばよいと思っているし、結婚後もたまにすればよいと思う。」


「私は、ルイスと結婚するつもりです」


「ひどい扱いをしたとは思うが、冒険者学校に通わせたし、人の道を大きく外れるような仕打ちをしたつもりはない。才能があの時点で使えなかったことをユリアのせいだというつもりはないが、それならせめていい家柄の人と結婚して、うちの助けになってくれてもいいはずだ。」


「それならそれでルイスと結婚することが家のためになります」


「多少腕がたつ冒険者かもしれないがそれはないな。相手は候爵様の4男様だ」


「ルイスは辺境伯爵家の次男です」

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