第13話冗談

「レベル上がりました?」


「はい、あがりました。」


「まぁ詳しいことを聞くのはマナー違反なのでやめておきます。次は解体ですね。」


「やってみたいです。」


「解体には2つの意味があります。1つは血を抜いて鮮度を保つことです。もう一つは軽くすることです。あとは、血を使ってあえて魔物をおびき寄せるという効果もあります。逆におびき寄せたくない時は気を付けて丁寧に行わなければなりません。」


「なるほど。今はおびき寄せる必要がないので丁寧にやりましょう。」


「そうですね。まず穴を掘るのです。そしてそこに血を垂れ流します。この作業は極力早く行うべきです。数が多い場合は何回かに分けることをお勧めします。マジックポーチがあればそもまま持って帰ってもかまいませんが町に入る前に解体しておかないと冒険者ギルドで解体するしかなくなり解体費がかかります。」


「なるほど。基本的には町に入る前にすましておいたほうがいいですね。」


「はい。今日は別にそのまま持ってけってもいいのですが練習として解体しましょう。」

「まず首元を切りつけて血を抜きます。これを最初に全部行い穴を埋めます。そのあと皮をはぎます。やってみてください。」


「今日は解体用ナイフを持ってきてないので貸してもらってもいいですか?」


「はい。大丈夫ですよ伝え忘れていましたね。すみません。」


「ありがとうございます。いえいえ。」

まず首を切って血を抜く。そしてそれを5回。できたら穴を埋める。


「スムーズでよかったと思います。剥ぎ方は一度私が実践するので見ていてください。」



「できました!」


「今日はこんなところですかね。」 


「はい。ありがとうございました。」


「では町に戻りましょう。」



「お疲れさまでした。次は魔物を買って冒険者ギルドに行って売るところまでやりましょう。」


「お疲れさまでした。わかりました。えっと。テイムしたオオカミを連れてきたいんですけど...」


「3回目ならいいですよ(笑)3回目は魔法を練習しようと思いますので。」


「わかりました。では失礼します。」



「ただいまフェル!」


ワン!ワン!


「3回目の時に一緒に来てもいいってさ」


ワン!


「そーかうれしいか」

モフモフ

ワシャワシャ

クゥーン



出発前

「フェル行くよ!」


「ルイス本当にフェルを連れていくのか?冗談だと思っていたよ。冗談だよな?」


「あれは冗談では」


「ん?何か言ったか?」


「いえ、冗談です父様。」


「それならいいんだ。」 


「楽しそうね。フフ」


それにしてもあんな感じの父は初めて見たな。

まさかあんなことであの圧を受けることになるとは思わなかった(笑)

気を付けよう。


母はそれを暖かな目で見つめるのだった。

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