第6話 四男のたたかい

 長男オークと次男オークと三男オークが、四男オークの住んでいる方角に走っていくと、大きな四角い家がありました。そこにひょっこりと四男が顔を出します。


「兄さん達、どうしたの?」

「フェンリルが現れたんだよ! 家の中に入れてくれ!」

「ええ!? さあ! はやくはやく!」


 四男オークは3匹を招き入れると、鍵を閉めました。


「フェンリルは、風の魔法、火の魔法、土の魔法を使ってくるぞ。この家は何で作られているんだ?」

「鉄筋コンクリートだよ。土木業を学んできたからね。兄さん達の家よりかは断然頑丈だから大丈夫だよ。」


 そこにフェンリルが到着しました。


「ふーむ、なかなか頑丈な家のようだの。さりとて、石造りと同じじゃろうな。であれば……、荒ぶる地震よ、土の家を揺り崩せ。【アースクエイク】!」


 ものすごい地震が四男オークの鉄筋コンクリートを地震が襲います。

 ただ、家はそれほど揺れません。兄オークら3匹は驚きます。


「どうしてこんなに揺れないんだ!?」

「ふふふ。『免震構造』だよ。すごいだろ。」


 ニヤリと笑う四男オークに、兄オークら3匹は感心します。


「ははー。さすがにこれならもう大丈夫だろう。」


 そんなオーク達をよそに、フェンリルは四男オークの鉄筋コンクリートの家をじっと眺め、しばらく考えました。


「ふん。これでどうだ。荒ぶる嵐よ、土の家を洗い流せ。【タイダルウェーブ】!」


 周辺から大量の水が発生し、鉄筋コンクリートの家を飲み込みます。

 窓から水が流れ込み始めました。


「わわわ。逃げろー!」


 4匹のオークは、屋上に逃げますが、それ以上逃げられません。

 フェンリルが泳いでだんだんと近づいてきます。


「もう駄目だ!」


 と、その時、何かが水の上を高速で近づいてきました。


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