第5話 三男のたたかい

 長男オークと次男オークは三男オークの石造りの家に逃げ込みました。

 三男オークは、2匹を招き入れると、すぐに大きな石で扉を塞ぎます。


「フェンリルだ。風の魔法に、火の魔法を使ってくるぞ!」


「ははは。風と火か。この家なら大丈夫だよ。」


 フェンリルは到着するなり、すぐに家を壊しにかかります。


「荒ぶる竜巻よ、石の家を吹き飛ばせ。【トルネード】!」


 石の家はびくともしません。


「荒ぶる炎よ、石の家を焼き尽くせ、【ファイアストーム】!」


 石の家に火はつきません。


「ふーむ。どうしたものかな。石造りの家か。それならこれでどうだ。荒ぶる地震よ、石の家を揺り崩せ、【アースクエイク】!」


 石の家のまわりがぐらぐらと揺れると、家が崩れ始めました。


「うわー、だめだー! 逃げろー!」


 長男オークと次男オークと三男オークは、四男オークが住む家に逃げだしました。


「まだ諦めないか。そろそろお食事に上がりたいもんじゃ。」


 そう言いつつも、ゆるりと3匹を追いかけました。

 お腹が空いて、早く走れないのかもしれません。

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