第4話 次男のたたかい

 長男オークは次男オークの家に逃げ込みました。


「フェンリルだ! 助けてくれ!」


 次男オークは長男オークを家に招き入れ、すぐに鍵を閉めます。


「ものすごい竜巻の魔法で家を吹き飛ばされた! この家は大丈夫だろうか。」

「大丈夫だよ、兄さん。この家は基礎からちゃんと造ったんだぜ。そんな簡単に吹き飛ばされるもんか。」


 フェンリルが家に到着し、木の扉をノックしました。


「コンコン。あー、わしは腹が減っておるんじゃよ。ここを開けてくれんかね。」


 長男と次男は息をひそめて静かにします。


「しょうがない。吹き飛ばすか。荒ぶる竜巻よ、木の家を吹き飛ばせ。【トルネード】!」


 家の周りに竜巻が発生しますが、しっかり作られた次男の家は吹き飛びません。


「ふむ。なかなかしっかり作られておるな。それでは、燃やすとしよう。荒ぶる炎よ、木の家を焼き尽くせ。【ファイアストーム】!」


 猛烈な炎が木の家に火を付け、燃え始めました。


「だめだー。助けてくれ~!」


 長男オークと次男オークは、三男オークの家に逃げていきました。


「おやおや、まだ増えるのか。今日はご馳走じゃ。」


 フェンリルは後をつけていきました。

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