第3話 長男のたたかい

 長男オークは、フェンリルに気づくと慌てて家に逃げ込みました。


「なんてこった。あんなやつが現れるなんて。」


 フェンリルは長男オークの家の前に着くと、声をかけました。


「お腹が空いているんだ。君を食べさせてくれんかね。」


 長男オークは必至で居留守を使います。


「出てきてくれんか。それじゃ仕方がない。」


 フェンリルは呪文を唱えました。


「荒ぶる竜巻よ、藁の家を吹き飛ばせ。【トルネード】!」


 竜巻が吹き荒れ、藁の家は吹き飛んでしまいました。


「ひえええ、助けてくれー!」


 長男オークは必死に次男オークの家に逃げていきました。


「おやおや、お仲間のところに連れて行ってくれるのかな。では一緒に頂くとしよう。」


 フェンリルはゆるりと長男オークを追いかけました。

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