金髪ビッチだった私が可愛い恋人に翻弄されて性の倒錯を起こしそうです。

第13話 甘い甘いコーデ教室

下着姿の葵が顔を赤らめている。

「あっち向いててよ。何か恥ずかしい……」

「ばかっ！

そんなこと言われたら変に意識しちゃうじゃない！」

「だって……」

「着替えるだけなんだし、そんなに恥ずかしがることないじゃない。」

「だったら凛ちゃんも脱いでよ！」

「絶対に嫌だし！てか、早く服を着ればいいじゃない。」

「分かったもん……」

葵は白い花柄のワンピースを頭から被（かぶ）った。

「やっぱりすごく似合ってる！

写真撮らせてね！」

「恥ずかしい……」

「いいじゃん、可愛いし！

じゃあ次はこのデニムシャツとスキニーを合わせて……」

「ちょっと待って！もう疲れた……」

「まだまだたくさん着せたい服があるんだけど！

コーデ教えてって言ったの葵じゃん！」

「さっきから脱いでばっかしなんだもん。

私のことをどんだけ脱がしたら気がすむの……」

「変な言い方はよしてよね……

これ着たらちょっと休憩しよう！

今日は葵のファッションショーなんだから頑張って！ね？」

葵は渋（しぶ）々（しぶ）ワンピースを脱いだ。

葵の体は肌白で、想像以上に肌が綺麗だった。

そして思ったよりも胸が大きい……

「ジロジロ見るのやめてよ。

凛ちゃんはあっち見といて……」

「別に女同士なんだからいいじゃん。」

「好きな人に見られるのは別だもん。

やっぱ恥ずかしい……」

私は葵の発言に、自分まで恥ずかしくなってしまった。

好きな人に見られるのは恥ずかしい。か……

それってもう恋人ごっこしてる相手に言えるセリフじゃないよね……

それとも全部が小説のための演技なのだろうか？

私は未だに葵のことが余り分かっていない。

もしかすると彼女は本気で私に惚れているんじゃ……

ああ！もう意味わかんないし！

「凛ちゃん、どうかな……」

後ろに体を向けると、私の服を着た葵が立っていた。

白ティーにデニムシャツを重ねて、黒いスキニーパンツを合わせている。

「すごく似合っているよ。」

「本当に？」

「うん。すごく可愛い。」

「嬉しすぎて、もう駄目そう……」

「何が？」

葵がゆっくりと近づいてきた。

「どうしたの？」

葵がしゃがみ込んで、座っている私を抱き締めてきた。

「凛ちゃんパワーを注入するね！」

「お手柔らかにね……」

近頃の私は、葵の過剰なスキンシップに慣れていた。

それに今までにそれが嫌だと思ったことは1度もなかった。

「凛ちゃんも腕を回して欲しいな。」

「え？」

「私みたいにぎゅーって抱き締めて。」

それはさすがに恥ずかしいから……

「凛ちゃん？」

「ちょっと待って。心の準備が……」

「分かった。ずっと待ってるからね。」

「そんなには待たせないから大丈夫よ……」

私は思いきって葵の背中に腕を回した。

「どうしよ……」

私は「どうしたの？」と葵に尋ねた。

「幸せすぎて死にそうだよ……」

私は葵の言葉が嬉しかった。

たぶん葵は私に本気で惚れているんだと思う。

恋愛ごっこはきっと口実なんだろう。

じゃなきゃこんな言葉が出てくるわけないし……

私は女性に対して恋愛感情は持ったことがないし、葵を性的な目で見ることはできないけれど……

けれど葵の幸せそうな様子を見ることで、心から嬉しくなっている自分がいる。

私は葵に対して恋心を持つことができないけれど、彼女に対して友達以上の気持ちはおそらく持っている。

私達はずっと抱き締め合っていた。

なんかすごく落ち着く……

私だって葵ほどではないけれど、少しは幸せを感じているに違いなかった。