第2話 初めましての喫茶店

喫茶店はとてもしゃていた。


店内はヨーロッパの雰囲気を帯びていて、ステンドグラスが独特な雰囲気をかもし出していた。


「オシャレなとこだね。」と葵も喜んでいる。


「たくさん食べてね。助けてもらったお礼だし。」


「たくさんは食べないよ。太ったら大変。」


「ふふっ。ほんとだね。」


私と葵はこの店の看板メニューらしい「ケーキセット」を頼んだ。


私はフルーツタルト、葵はレアチーズケーキをフォークでく。


「私達ってもしかすると初めて会話したよね?」


「確かに凛ちゃんと話したことって、今までなかったかも……


まぁ私っていつも1人だから、会話したことある人って少ないんだよね。


凛ちゃんも友達少ないよね?」


「その言い方はなんか傷つくなぁ……」


入学して4月も終わりが近付いているにも関わらず、私は友達を1人も作れていなかった。


その理由は明確に分かっているつもりだ。


私はせいでおしとやかな優等生を強く演じようとしすぎて、どうやら力を入れすぎて空回りしてしまったらしい。


いつの間にかクラスメイトに、近づきにくいオーラを出してしまっていたようだ。


「葵はいつも読書しているよね。


休憩時間はいつも1人で本読んでるイメージある。」


「そうなんだ。休み時間に読書ばかりしていたら、友達を作るのに失敗しちゃった。」


「じゃあ私を最初のお友達にしてよ!


葵に助けてもらったのも何かの縁だろうし。ね?」


葵は満面の笑みで「うん!」と答えた。


ちなみに葵の顔立ちだけれど、女性の私から見てもすごく可愛らしかった。


ボブスタイルがすごく似合っている女の子で、髪は見ただけでもサラサラだって分かる。


大きくてうるうるした両目がとてもあいくるしくて特徴的だった。


女性でも可愛いと思えるほどの優しい顔立ちも魅力的だ。


私達はしばらくお互いのことを話し合った。


家族構成だとか出身中学校だとか。


出身中学校を言うのは余り気が進まなかったけれど、私はかなりへんぼうに成功していたから何も心配することはないかな。


その後も色々とお喋りをしていると、突然に葵が私に尋ねてきた。


「凛ちゃんって恋人いるの?」


「今はいないよ。」


「ふーん。今はってことは前はいたんだ?」


「うん。全員は覚えてないけどね。」


「え?覚えきれないほど恋人いたの?」


うわ。やってしまった……


私はすぐに「冗談だよっ!」と言って場を流した。


さすがに10人は軽く超えていたとか死んでも言えない……


「あ、葵は彼氏いるの?!」


「私は男の人、苦手なんだ。


なんか怖いって言うか……」


「そっか。葵は可愛いからモテるんじゃない?」


「そんなことないよ。ネクラだし……」


「こら。自分のことをそんな風に言わないの。


まぁ男なんてアホばっかだから付き合う必要なんてないよ!」


葵が「なんか慰めてくれてありがと。」と言って笑った。


「でもさっきの葵には驚いたな。


助け方がだいたんすぎ。」


「なんか恥ずかしい……」


葵が顔を赤らめてうつむいている。


「あのときの私達はカップルだったんだね。


でも手を握られたとき、何か変に意識しちゃった。


葵の演技力のせいだね。」


私と葵は一緒に笑った。


喫茶店でのゆうな時間はあっという間に過ぎていった。


そして私達はそろそろ帰宅することにした。


喫茶店を出ると17時過ぎだったので、もう街は薄暗い。


私達は二人とも電車だったので、同じ駅に向かって一緒に歩いて行った。

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