第81話 男子会①
「あのさ、俺以外たぶんだけど彼女いるよな……実際どこまで進んだんだ?」
○鉄が終わった後、ふと思い出したのか四人の中で唯一彼女がいない岡本が三人に聞いてきた。
「具体的にはあんま言いたくない」と山崎。
「俺はお前らが思ってるほど進展はしてないし、付き合いもまだ短いぞ」と陽輝。
「僕は別に言えるけど……」と悠真が言い、まずは悠真から問い詰めていくことに。
「実際どこまで?!てか付き合ってる期間は?告白はどっちから?!」
怒涛の勢いで悠真に詰め寄り、聞いていく岡本。悠真は丁寧に一つずつ答えていった。
「まず告白からだけど、小珀の方からだよ。期間はこの前9ヶ月を過ぎたような気がするよ?どこまでって……まぁある程度はって事で」
「「「ある程度とは?!」」」
そこは詳しく聞きたいのだろう。岡本以外の二人も問い詰めたいようで、再度聞く。
「まぁ……うん、まぁわかるよね。多分全部済んでるんじゃないのかな?」
「「「まじか……大人だな……」」」
問い詰められた事で正直に話せば三人は驚き、悠真は恥ずかしそうな表情を浮かべる。こーいった話をあまり他人には言いたくなかったのだろう。
「んじゃあ陽輝は?そもそもいつからだ?俺知らないうちにお前ら出来上がってたからよくわからないまんまなんだよな」
「あ、俺もそこは知らないわ。あの合コンの時にはまだ出来てなかったよな?お前ら以外はもう出来てるもんだと思ってたけど」
悠真の話が終わると、陽輝へと標的が変わり、岡本だけではなく山崎も知りたがった。陽輝の話についてはある程度予想がついてる悠真は問い詰めることもなくニコニコしながら三人の様子を見ていた。
「山崎の言う通りで、合コン?の時にはまだ。だいたい一か月ちょい前ぐらいに色々ありつつも一応俺から告白はした。補足するなら互いの両親はもう知ってるし、なんなら家族ぐるみに近い」
「「おぉー……やっぱ漢だよな、陽輝は」
あの時のことを思い出しながら話す陽輝。あの日に翠に救われ、今こうして関係を築かせてもらってることに感謝しながら。
「んで、どこまで?」
「それは僕も聞きたいかな?ちょっとお膳立てはした身としては知りたいと思っちゃうかな」
「あのな、まじで進んでないからな。悠真達みたいに一つ屋根の下で毎日過ごしてるわけでもないし———」
「「それは本当のことなのか?!悠真?!」」
陽輝の口から漏れた情報に食いつく二人。一人は興味津々、もう一人は……嫉妬に塗れた表情をしていた。まぁ彼女がいない奴が嫉妬するのは当たり前のことだろう……。
「お互いの両親の都合でそうなってるだけだよ。高卒までには同棲は終わると思うよ。だけど……高校卒業したらちゃんとした同棲はするけどね?今はまだ両親の家だし」
「「しっかりしてんなぁ……」」
先のまで考えている悠真に感嘆する二人。その片方は自分はしっかり彼女とやれているのか?という自問も少ししていた。ただ、今聞きたいのはその話ではなく……
「悠真のことより、陽輝だ!お前はどこまで?」
「ちっ、話を逸らせたと思ったんだがな……どうしても言わないとか?」
「言ってくれよ!」
「じゃあ後で山崎からも聞くからな……ついこの前にまぁ……初めてキスをされたな……まじで翠にこのこと言うなよ?!お前らニヤニヤしてるけどまじでやめろよ?!」
陽輝の口から出た"キス"という単語にニヤニヤする三人。悠真は我が子を見るような微笑みをしていたが、残る二人は完全に笑っていた。
「俺からは以上だ……じゃあ山崎の番だな?お膳立てしたお礼を兼ねてしっかりと話してくれよ?」
まだ男子会は、終わらない。
読んでいただきありがとうございます。
こういうのって意外と楽しかったりしませんか?笑
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