第80話 友情崩壊?
今陽輝達がやっているゲームは有名なバトルゲームだ。様々な物語のキャラが登場し、技を駆使して相手を場外へ落とすゲーム。
そして画面に写っているのは山崎が使っている有名作のボスキャラだけだった。ちょうど山崎が勝った場面である。
「その課金キャラは反則だろ!お前せこいぞ!」
「セフィ○スの火力高すぎんだろ……しかもダメージ受けたら第二段階あるのもせこい」
「とか言ってるお前らも大体課金キャラ使ってんじゃねぇかよ。特に悠真の某有名作の主人公も反則だろ?!コマンドで技が豊富すぎて対策できねぇよ」
「困ったらみんな巻き込んで自爆すればいいのは楽しいよね!」
誰かの使っているキャラが場外へ飛ぶたびに誰かの文句が飛び、かっこよく技が決まれば叫び、はたまた悠真が自爆すると全員で叫んだりと、少し幼稚にもなっている気もするがこんな時間があってもいいだろうと全員思っていた。
そう、思っていた。あのゲームが始まるまでは……
「ふざけんな!陽輝俺にこのデブなすりつけんな!」
「何のことかわからねぇわ笑笑あれ?何で岡本の後ろに貧乏神がいんの?笑笑」
「笑ってんじゃねぇぞ!まじでお前許さねえからな。あとでまとめて倍返しするからな。だから今は……頼んだ、黒木笑笑」
「あのさぁ……陽輝に付けられたんだったら付け替えしたら?!……あっ、でもゴールだ。ってことは……」
「おい!俺に来るじゃねぇか!ここまで順調だったんだぞ?!しかも次の目的地鬼遠いぞ?!」
飛び交う暴言に恨言。先程までの楽しそうな空気はどこへ行ったのか。今四人の中を流れているのは一触即発のピリついた空気である。
今やっているゲームは世間を一時期騒がせた桃○だ。すごろくに近いこのゲームは目的地に着くとお金が貰え、目的地から遠い人に貧乏神が付き、不幸に襲われる。
よって、貧乏神の押し付け合いが始まったのである。
「はいカード使いまーす。とりあえず山崎から離れまーす」
「俺も離れよ。ずっとそこに居てくれ山崎」
「山崎ごめんね……その神はいらないかな」
目的地から遠い山崎に貧乏神が居て、付けられないようにするために離れる三人。しかし、山崎もカードを使う。
「残念だったな!俺の大事なリ○アカードを使用し、お前らに追いつく!」
「「「なっ!!」」」
画面の中では先程山崎から離れた三人に一瞬で追いつき、陽輝に貧乏神を付けて目的地へ近づいた山崎の電車が映った。
「なんで俺なんだよ!まぁとりあえず特○カードで……悠真、佐藤さんの代わりにこいつと過ごしてくれ笑笑」
「じゃあ二人の邪魔はできないなぁ……黒木から離れまーす」
「……陽輝?許さないからね?こんな愛嬌もない——————」
「黒木ストップ!放送事故並みの暴言だ!これ以上はやめとけ!」
ギャーギャーと騒ぐ四人。今この時だけは四人とも醜い姿を晒していた。貧乏神を押し付け合うために頭脳を駆使し、時には卑劣な手段を使い他の人を陥れたりと、人間の悪いところが前面に出ていた。
「やめろ……やめろ……あぁぁぁぁ!キングになったじゃねぇか!うわっ!金が一瞬で溶けたぞ?!」
「おつかれ岡本。君のことは忘れない……」
押し付け合いは岡本の敗北となり、貧乏神が進化してしまい、岡本はそのまま最後まで巻き返せずに4位。
「えっと、カード貰うね?これで詰んだよね?山崎くん?」
「……逆転できねぇぞこれ……クソがぁ!」
形勢逆転を狙えるカードを悠真に奪われた山崎は、機会を失ったので3位。1位決めは熾烈だった。
勝ったのは———
「来た!宝くじあったぞ!3等!これで俺の勝ちだろ!」
「んー宝くじで貰えるお金が多いよこれ……当たらなきゃ勝ってたんだけどなぁ」
最後の最後に宝くじますで3等を当て、何十億と手にした陽輝の勝利で終わった。もちろんこのゲームが終わった後に荒れたのは言うまでもないだろう。
読んでいただきありがとうございます。
桃○……実際に友情崩壊しますよね笑笑
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