初の告白(される方)
無事、練習を終わることができた。
やっぱり、月見 小鳥は速い。隣を走るので精一杯だった。
星宮さんもついてきてくれたし。楽しかった。
あとは、ダウンして終わるかな。そうしよう。疲れた。
「ダウンして終わるけど、どうする~?」
水分補給をしている二人に聞く。顔が火照っていて水分補給するだけでも妙に艶めかしい。目に毒だ。二人ともとんでもなく美人さんだから。
「りょうか~い」
「わかったよー」
あれ?
意外と二人とも疲れているみたいだ。さすがにか。
ダウンも終わり帰宅準備中、競技場裏の自動販売機付近に月見さんに呼ばれた。
「どうしたの? 月見さん」
星宮さんはいないみたいだ。月見さんは自動販売機でポ○リを買っていた。
そして突然話を蹴りだした。
「遥。凛に告白したの?」
「……え?」
なんで知ってるの?誰からきいたの?
いろいろ聞きたいけど僕の口から出たのはそれだけだった。
「なんで知って」
「聞いたから、凛から」
言っちゃてたか~。
僕はバレたことが恥ずかしくて下を向く。
「したんだね、告白」
「うん」
「そう。でも振られちゃったんだ?」
「うん」
「ふ~ん」
もっと何か聞いてくるかと思ったけど考えてたものとは、まるっきり別の質問を受けることとなった。
「じゃあさ、私は?」
ん?
「遥、好きです。付き合ってくれない?」
「え?」
驚きで顔を上げる。上げてしまった。
そこには、顔を真っ赤に染めてこちらを見る……、
中学女子長距離県一位の記録を持つ、月見 小鳥の姿があった。
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帰宅したけど、家に帰ってくるまでの記憶が無い。
あれは現実なんだろうか。
星宮さんは告白後もいつも通り接してくれて精神的負担は少ないと思ってた。それでも傷になってない訳ないし。
その傷を癒すために僕に見せた幻なんじゃないか、と思う。というか、そっちの方がマシかもしれない。
だって、自分の好きな人より、今僕を好いてくれる人となら付き合っても良いんじゃないか、って考えちゃったから。
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