中学女子長距離県一位
月見 小鳥(つきみ ことり)は僕たちのいる県の中学女子長距離トップの少女だ。小学校の頃から変わらず、不動の一位だ。
陸上部じゃなくてバスケ部でキャプテンだけど、兼部みたいな感じで一緒に試合に出てる。そして、一位を取って去っていく。そんな人だ。
そして、僕と同じクラスの、陽の人である。昼休みとか休み時間に数名の女子を率いて、話をしている。彼女たちは話し声がうるさくないからいい人たちなんだと思う。
多分、彼女がまとめあげてるんだろう。だって、大半がバスケ部だから。それも優秀な。
人を惹きつける力、ってのは凄いと思う。カリスマって言うんだっけ?
これが彼女、月見 小鳥の説明だ。
そして僕は今。
彼女と星宮さんとランニング中です。
僕、こんなところにいたら死にます。
だって、女子2男子1だよ⁈
走りながら僕の後ろでガールズトーク?してるんだよ⁈
聞いていいのかわからないからずっと走るフォームを意識してるけど、近くにいるだけで緊張するのに後ろでしゃべられるとか、ほんと死にそう、精神的に。
早く終わりたい。今すぐにでも辞めたい。なんでいないの、アイツ……
ようやく終わった。10キロジョグだけど、その間ずっっっっと彼女たちは後ろでしゃべってた。怖かった……
なにが怖いかって、10キロずっっっっと話をしながら走ってたんだよ⁈
普通、走るだけでもキツいのに。しゃべりながら? ハァ? おかしいよほんと、女子に言っちゃいけないけど(言ってないよ)。
なお、僕は今一人です! 気持ちが楽!! 孤独とは、時に寂しいけど、また時に助けてくれる存在でもあるのです! いやっふーー!(内心)
だが、終わりは唐突にやって来る……
それは……
「遥。どう? ペースゆっくりだったでしょ?」
先程説明した月見 小鳥だった。
「いや、いつもあんなペースだよ」
これはほんとのこと。サボり癖のついた僕は極力楽をしようとする、サボり魔だ。
それに彼女の練習に合わせようとすると僕が死ぬ、体力的に。
「そう? じゃあ、次はなにするの?」
僕が助かっているのは彼女が、というか彼女たちが僕の自主練に混ざっているからだ。
いつも使わせてもらってる陸上競技場にきていたら彼女たちがやってきて混ざりだした。勝手にまざっているからか邪魔はしてこない(精神攻撃はしてくるが)。
「次は流して、その後に軽くインターバルをしよっかなと」
「どれくらい?」
「ん~、400×5か、10か」
「5で良くない?」
「かな~。軽くだしね」
ということでメニューが決まりました。
「星宮さんが来たら始めよっか」
「うん」
彼女に合わせると軽めで終わらないかもしれない。
ハァ~。頑張るか……
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