第8話 コレカラ
先に攻撃を仕掛けたのはダークアイ・ドラゴンだった。
何でも切り裂く爪を黒龍に向けた、しかし黒龍は自身の口から溶岩をダークアイ・ドラゴン目掛けて放ってきた。
突然の反撃にダークアイ・ドラゴンは攻撃をやめて、溶岩を回避した。
その後すぐに黒龍は自身の尻尾を振り回してきた、ダークアイ・ドラゴンとチャ・チャットはそれを見事に回避できたが俺はその攻撃を喰らってしまった。そしてそのまま校舎の壁に叩きつけられた。
「蒼木!」「蒼木様!」
「何処を見ている、小さき者よ!」
ダークアイ・ドラゴンとチャ・チャットが俺の心配をして、一瞬此方をみた。その隙を見逃さなかった黒龍は2体とも俺と同じようにして叩きつけた。
「・・・っ、すまん」
「・・・・内部データの破損を確認、強制シャットダウン」
一瞬にして俺達は黒龍に負けた、ほんの一瞬で。
「チェックメイト、お前達の負けだ。敗者には消えてもらおう」
そう言いながら黒龍が俺達に止めを刺す為に近づいてきた。
才菜を守るって決めたばかりなのに・・・・・、こんなとこで死ぬなんて・・・・・。
死を覚悟して目を瞑った、その時、才菜が何か唱えているのが聞こえた。
その時、雷が落ちるような音がした。恐る恐る目を開けると、雷がまるで黒龍を攻撃してるかのように黒龍のいるところに目掛けて雷が落ちてきた。
黒龍も最初は苦しそうにもがいてたが、雷が止んだ頃にはその場で倒れていて、揺れは収まっていた。
何が起こったのか分からなかったけど、気絶しているダークアイ・ドラゴンとチャ・チャットをノートの中に戻して、才菜の方に戻った。
才菜は俺がボロボロになった体で歩いてくるのに気が付いたようで、泣きそうな顔で俺を抱きしめた。
「良かった・・、本当に良かった・・・。」
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あの後、先生達の通報によって駆けつけた消防の方達が校内にいる生徒の救出に向かった。
奇跡的に死者は出ておらず、俺と才菜以外ケガした人は居なく皆無事だったようだ。
俺と才菜はあの戦いで負った怪我のせいで4ヶ月間も病院に入院することになった。
これからの話は母さんから聞いた話だ、うちの学校だけ激しく揺れた原因を色んな機関の人たちが調べていたが結局何も分からなかったらしい。ネットでは政府が隠してるとか、都市伝説のようなものが多く出回った。そして、俺と才菜はあの揺れに関して何か聞かれるのではないかと心配していたが、特に聞かれる事は無かった。それどころか大きな生物を見たという噂もたっていない。
まあ黒龍を見た人という人がいないなら、俺達が魔法を使っている所を見られていなくてもおかしくない。しかしあの戦い以来、ダークアイ・ドラゴンに呼びかけても返事が返って来なくなった。
俺に愛想をつかしたのかもしれない、
「蒼木君も今日で退院だね、おめでとう」
「才菜も退院おめでとう」
今日はあの出来事から4ヶ月たち、ついに退院日を迎えた。
入院し始めた時は、退院した後に入院中の間の授業の内容を覚えられるか心配だったけど。
学校は校舎があの揺れによって使えなくなっていた事もあり、オンライン授業に切り替わってた。
俺も才菜も、入院中も授業を受けれたので学校の授業には遅れをとらずに済んだ。
その後の不安は特に感じず、俺と才菜はそれぞれの家に帰った。
家についた俺は自分の部屋に入った、ベットの上に乗ると急に眠くなってきた。
多分、家に帰ってきた事で今までの疲れがどっと出てきたのだろう。
風呂は明日の朝に入る事にして今日はもう寝る事にした。
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今日は久しぶりな事が連続で起こる日なのかもしれない、4ヶ月ぶりに神様に呼び出された。
「蒼木君、退院おめでとう!」
「入院してた事知ってたんですね、それで今日の用事は?」
「ちょっと話を聞かせてもらいたくてね、黒龍の事とか」
「てか何で入院している時は呼び出されなかったんですか?」
「入院中の人を呼び出す程、私も常識知らずじゃないよ?」
十分常識知らずだと思うんですけど。
「私もあの黒龍が一体何者なのか調べたけど、分かった事は一つだけだった。」
「それで、分かった事って何ですか?」
「『ブラック・マグマ』ってゆう異世界の魔王軍の幹部の一人だって事、それ以外は何も分からず仕舞いだよ」
「その異世界って神様が最初の頃に言っていた、この世界と戦争する事になる異世界と同じ世界ですか?」
「そう、まあ戦争する相手は魔王軍だけだけどね。 まあ黒龍の件についてはこれぐらいにして今日の本題に移るね。」
「本題?」
「君には私の半分の力が入ってるんだけど、蒼木君はまだその力を1割も使えていないのが現状。そのせいで、君のキャラたちは本来の力を出せていない。思いたる所あるでしょ?」
確かに、ダークアイ・ドラゴンだって俺の考えた設定では腕の爪に魔力を貯めて強力な一撃をだせるのだが、今までやっている場面を見た事ない。
「つまり俺が神様からもらった力を使いこなせるようにならない限り、俺のキャラ達も本当の力を出し切れないってことですか?」
「そゆこと、実は4ヶ月前にダークアイ・ドラゴンが来てね。君が魔力を使いこなせるように手助けしてほしいと頼まれてね。」
「ダークアイ・ドラゴンが!?」
「何処に行ったのかは知らないよ、まあ君が力を使いこなせるようになれば戻ってきてくれるんじゃない?」
聞こうとしたら、先に阻止された。
何でいなくなったのかは理由は定かじゃないけど俺が力を使いこなせるようになったら帰ってきてくれるかもしれない。
力を使いこなるようになれば、キャラ達が本領発揮できて今度こそ才菜を守るようになるかもしれない。
「分かりました、使いこなせるようになる方法を教えて下さい」
「それには、まずアレに慣れて貰う必要があるからコレ渡しとくね」
そう言って神様は所々に穴がある、不思議な腕輪を渡してきた。
「神様、アレって何ですか?」
「また説明書付けとくから、それ読んで今渡したコレを使いこなせるようにしておいてね。じゃあまた3日後にね~、チャオ」
「ちょ、待っ・・・。」
神様は俺の質問に答えることなく、俺を帰した。
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