第2章 異世界からの刺客

第7話 異常な状況の学校

それは突然来た。号令で皆が席に着こうとした時、床が激しく揺れ、立っていられなくなる程だった。


「皆、落ち着て!揺れが収まるまで机の下に隠れて‼」


先生の声で皆机の下に隠れたが、地震は収まる様子は無くそれどころか段々強まっていく。一体何が起きているのか分からず困惑していると、教室の扉が開く音とこの教室から誰か出ていく音が聞こえた。まさかと思い物に捕まりながら立ち上がりクラスを見渡すと才菜の姿が無かった。


自分も才菜の跡を追うため、いざという時の為に持ってきておいたオリジンノートをカバンから取り出し教室から出た。


俺の教室があるのは4階、外に出ようと考えれば1階まで下りる必要がある。

ただの階段でも激しい揺れの中だと一苦労だ。

やっとの思いで1階に着くと倒れている才菜がいた。


「才菜!・・・才菜!!」


「あ、蒼木君・・・どうしてここに・・・?」


良かった・・・意識はあるみたいだ。出血してる様子は無かったが、倒れていた事を考えると階段から落ちたもかもしれない。

こんな状況じゃなければ保健室に連れていくのが正解なのだろう、しかしさっきからの揺れの影響か廊下から壊れるような音が聞こえる。保健室に居た所で天井が落ちてくるなんて事があるかもしれない。


とりあえず才菜を外に連れていき、ノートからパーフェクト・3を呼びだして才菜の周りにあらゆる物理攻撃を跳ね返す結界をはってもらった。コレでもしも校舎の方から何か落ちてきても才菜には当たらないだろう。 


「才菜、揺れが収まるまでそこに待っててそしたら保健室に連れてくからさ」


「分かった・・。待ってるね・・。」


未だに揺れが収まる様子はない、町はどうなっているのだろうか。しかしこんなに揺れていたら避難者の一人や二人いてもおかしくない、だが俺が才菜を連れて外に出た時もそのような人はいなかった。

町を見下ろすと町は何の変哲もない、いつもの町だった。道路には車が走っており、道路には子供が楽しそうに何か話していた。でも現にここは揺れている、まさかとは思ったが今の状況から考えるとこの学校の辺りだけ揺れている?。


「まさかこの揺れの中、外に出て来れる者がおるとわな」


後ろを見ると黒い岩石を身にまとった、とても大きな黒龍だった。フェニックスの時には感じなかった、強い魔力を感じた。


「マスター、コイツ、キケン!」


「あぁ、見ればわかる」


勘だが、この揺れは奴が原因だろう。しかし揺れのせいでまともに立つことができない。


「この揺れの中外に出てこれたことは誉めてやろう、しかしこの揺れの中では我に戦うどころか逃げる事も出来ぬだろう。」


確かに俺はまともに動けないだろうな、俺はな!


「頼んだぞ!ダークアイ・ドラゴン、チャ・チャット!」


「任せろ!蒼木」


「お任せ下さい蒼木様!アプリケーション【BATTLE】起動!」


『キャラ説明【チャ・チャット】

ブラウン管テレビに手が付いたようなキャラで通常は小型のプロペラで空を漂っている。アプリケーションによって能力が変化する。モニターの後ろにはデータさえあれば素材無しで製造出来る3Dプリンターが備わっている。』


「面白い・・・、それでは行くぞ!勇敢な少年とその者に仕える小さき者どもよ‼」


黒龍の言葉と同時に戦いの幕は切られた。

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