第5話 大事な話
才菜を部屋に入れたはいいものも、妹のせいで玄関の扉を開けた時より気まずい空気になってしまった。とりあえずとなりの部屋にいる妹にこの話を聞かれないようにしなければ。
「才菜、驚くと思うけどごめんね。」
「・・・へっ?」
とりあえず結界魔法をつかえる仲間を生み出せば、声が隣の部屋の妹に聞かれないようにはできるだろう。
どんなデザインにしようかな?せっかくなら未知の技術を使えそうな、エイリアンみたいな不思議な見た目で超能力使えて・・・。
「・・・蒼木君、何してるの?」
「ちょい待ち、もう少しで出来るから。」
【パーフェクト・3】
結界・回復・付与の3つの魔法を使いこなす未確認?生命体。全ての生物とコミュニケーションをとる事が可能であり、大体の生物と友好的関係を築いている。
こんなもんで良いだろ、それでは小さい声で早速・・・。
「お前の名は、【パーフェクト・3】いでよパーフェクト・3」
そう唱えるとノートから光が出てきて、その光は段々とエイリアンのようなものへと姿を変えていった。
「ナマエクレテ、アリガトウ、サン、マスターノヤクニタツ!」
「それじゃあ早速だけどこの部屋に防音性の結界張って欲しいんだけど、頼める?」
「ワカッタ、サン、ガンバル!」
「じゃあ、サン頼んだぞ」
パーフェクト・3が何やら念じてると、この部屋を囲むように四角の結界が張られた。コレで隣の妹に話を聞かれる心配もないだろう。
「・・・なにこれ」
才菜は驚いた様子だった、まあコレが普通に反応だろう。
「とりあえず、今から順を追って話すからよく聞いて。」
「・・・分かった。」
俺は才菜に、隕石の破片は魔石という事、神様から魔法を授かった事、昨日の男が逃げ出していて謎の組織に俺達の顔が割れている事を話した。流石に戦争の事はいわないでおこう。
「昨日のアレは夢を見ていたのだと思ってたけど、本当の事だったんだね。」
「そう、才菜が大きな鳥に連れ去らわれたのも事実だし、この世界に魔法があるのも事実。」
「それで、私以外にこの事を知ってる人は?」
「俺が知っているのは、才菜だけ」
「・・分かった、じゃあ蒼木君一ついいかな?」
「なに?」
「昨日助けに来てくれた時、一緒にいたあの子達もさっきみたいに生み出したんでしょ?昨日のお礼をしときたいんだけど、今あえるかな?」
多分才菜はまだ半信半疑だけど、俺の話を信じてくれてるんだと思う。
「・・・ということだ、髑髏蛇、ダークアイ・ドラゴン出てもらえるか?」
『御意』
『分かった、今からそっちに行くわ』
そしてさっきのようにノートから仲間達が出てきたが、2回目だからかさっきのような驚いた様子はなかった。
「昨日は助けてくれてありがとう。 蒼木君とは幼馴染で同じ学校に通ってる、小埜才菜って言います。 気軽に才菜って呼んでくれると嬉しいかな。」
才菜がお礼した後に、なにやら自己紹介をした。
「私たちも自己紹介しますか。」
「そうだな」
「私の名は髑髏蛇、主に仕える者です。」
「俺はダークアイ・ドラゴン、蒼木が生み出したドラゴンだ」
あれ?これって俺も自己紹介しとくか?
「俺は蒼木奈太郎、よろしくな」
俺が自己紹介をすると、3人にお前は自己紹介しなくていいでしょとツッコまれた。
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「マスター、ナニカオオキナトリ、クル、デモワルイヤツジャナイ、イレル?」
あの後、4人で雑談をしているとパーフェクト・3がそう聞いてきた。
「ここからそいつと話す事出来るか?」
「スマホニツナゲラレル、ソレナラデキル」
「それで頼んだ」
「ワカッタ、イマツナグ」
そうするとスマホに着信がかかってきた。電話に出てみると相手はフェニックスだった。
『蒼木殿、願いを叶える為参った。』
昨日伝えておいた願いを早速叶えに来てくれたみたいだけど、
「来てくれたのはいいんだけど、場所移すから、フェニックスのサイズだと俺の部屋に入れないからな」
『心配ご無用、自分の体の大きさぐらい調節できる。』
マジか!幻獣はそんなことまで出来るのか。
『蒼木殿、入れてもらってもかまわぬか?』
「あーすまん、サンさゲート出してくれる?」
「ワカッタ、ゲート、ヒラク」
パーフェクト・3が何やら唱えてると机の近くにやや大きめの魔法陣が現れた。
「開いたみたいだから、そこから入ってきて」
『分かった』
そう返事がきた後、すぐに魔法陣から綺麗な色をした鳥がはいってきた。
「え、何事?」
「あれは、もしや?」
「ああフェニックスだろうな」
才菜には分からなかったが、髑髏蛇とダークアイ・ドラゴンにはこの鳥がフェニックスだとわかったようだ。フェニックスはダークアイ・ドラゴンの頭上に止まると、話だした。
「才菜殿、昨日は怖い思いをさせてしまい申し訳なかった。」
「え?もしかして貴方昨日の大きい鳥さん?!」
「なんで俺の頭上に止まってんだよ」
「本日は蒼木殿の願いを叶える為、ここに参った」
「オイ!話を聞け!」
フェニックスはダークアイ・ドラゴンの話を自然に聞き流しながら、話を続けた。
「蒼木君の願い?」
「うむ、才菜殿が嫌でなければ私が大体の魔法が使えるようになるほどの魔力を授けたいと思っている。」
「蒼木!この鳥を何とか説得してくれよ」
ダークアイ・ドラゴンはフェニックスに話が通じないとあきらめたのか、俺に助けを求めてきたが・・。
「今2人大事な話してるからそのまま黙ってて」
「は?キレそう」
そう言いながらもこの後、話が終わるまで黙っていてくれた。
やっぱりなんだかんだ言っても優しい奴なんだな、ダークアイ・ドラゴンは。
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