第4話 神様が忘れていたこと。
才菜を送った後、家に着いた俺が真っ先に向かったのは自分の部屋のベッドだった。
「まさか、あんな事になるなんて……。」
俺は帰り道での出来事を思い出していた。才菜とは幼い頃からずっと一緒にいたが、キスされるような事は無かった。
好きと思う気持ち、守りたいと思う気持ちそして自分はとても弱くが頭の中でごっちゃになり俺はそのままベッドの上で眠ってしまった。
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目が覚めると昨日と同じ場所にいた、そこには創造神であるメイディアとフェニックスがいた。
何故フェニックスがここにいるのだろう?
「本日はすまなかった、蒼木殿」
一番最初にフェニックスがまたあやまってきた。
「そのことはいいから、それよりなんでフェニックスが此処にいるんだ?」
「メイディアとは昔に旅をした仲でな。あの後私を操った者達を調べる為、メイディアに今日の事を話したら『その子この後此処に来るからせっかくならあんたも来る?』って誘われ、我もお主に話さないといけない事もあったのでな。」
「話はフェニックスから聞いてるよ、まさか魔法を渡した次の日に操られているとはいえ幻獣であるフェニックス相手に生きて帰るとわね。 君に創造魔法を授けて正解だったみたいだね♪」
「まあ神様が授けてくれた魔法があったから何とかなりましたけど、もし授かっていなかったら・・・というよりも仲間達がいなかったらと考えると・・・。」
もし仲間達がいなければ才菜を助け出す事は出来なかっただろう。実際才菜が連れ去らわれた場所が山頂の屋敷だと突き止めたり、フェニックスを操ってたであろう男を無力化したのは髑髏蛇で、操られているフェニックスを止めたり才菜の救出作戦を考えたのははダークアイ・ドラゴンだった。 このままだと今後魔法を使った戦闘になった時、俺は才菜を守りきれないだろう。 俺は仲間達の主としても、才菜を守れるようになる為にも俺は強くならなければいけないんだと思う。
「悩んでても仕方ないでしょ、今後もこういった戦闘をする事は増えていくと思うけど創造神である私がサポートするからがんばっていこう!」
多分、顔にでていたのだろう神様がそう励ましてくれた。俺は下に向いてた顔を前に上げた。
「蒼木殿、お主の願いを聞く前に話さないといけない事が2つある。そのうちの一つは本来ならば魔法を授ける前に話さなければならないのだが・・・。」
「魔法を授ける前に」と聞いた時、神様は何か気まずそうな顔をしていた。 いったい神様はどんな事を話しわすれたのだろうか?
そしてフェニックスはとても真剣な顔で話始めた。1つ目の話はあの謎の男に関する話だ、俺達が帰った後に男に話を聞こうとしたら、荷物を残していつの間にか男は消えてしまったらしく残された荷物を後で神様と色々と調べてみたが、その男は何かの組織の一員だという事だけしか分からなかったらしい。 今後その組織の関係者が俺と才菜に何かしてくる可能性が高いだろうから十分に注意していて欲しいとの事。
そしてもう一つの本来魔法を授ける前にしなければならない話というのはこうだ。神から魔法を授かる事はその神の力の一部を受け継ぐ事になるらしく、普通の神ならば何億人に自分の適正魔法を受け継がせてその中から自分の後継者を一人決めるのだが、俺の使う創造魔法は無から命あるものを生み出せるほどの力を有する故に創造魔法を授けるには神の力の半分を受け継がせる必要があるらしく創造魔法を授かった者は創造神の座を受け継ぐ義務があるとの事。 つまり俺が神様から魔法を授かった時点で、いつか創造神の座を受け継ぐことが決まってしまったと・・・。 初耳なんだけど‼
「神様‼俺そんな話きいてませんよ?!」
神様、口笛吹いて誤魔化してないで説明してくれ!
「蒼木殿昔の仲間が本当に申し訳ない、だが聞いてなかったとはいえ創造魔法を授かったからには、創造神の座を受け継いで貰うことになる。 創造神を受け継ぐまでの間は困った事があればなんでもメイディアに言ってくれ。全力で力になる、なあメイディア?」
フェニックスが凄い顔で神様を睨んでいた。
「も、もちろんだよ・・・あはは」
この神様大丈夫なのだろうか?俺の中で神様の株が一気に落ちていった。
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あの後、残り2つの願いをフェニックスに伝え神様に家へ帰して貰った俺はベッドの上にいた。
時計を見ると時間は午前10:00だった。
『才菜は12;00には着くだろうから残りは2時間・・・。
やべえ!昨日風呂に入らず寝ちゃったし、何なら部屋が散らかってるから掃除しないと!』
部屋を掃除してから、窓を開けて喚起している間に風呂に入り何とか11:45に着替えも済んで、いつ才菜が来ても大丈夫な状態になった。いざ準備が終わると緊張してきた。これは恋愛的な緊張なのか、魔法というファンタジーの世界でしかありえなかったような非現実的な話を信じてもらえるのかという不安から来る緊張なのか俺には分からなかった。
そんな感じで自分の部屋でソワソワしていると家のチャイムが押された音がしたので、俺は玄関へと向かった。
「こんにちは、蒼木君」
玄関の扉を開けると、何処かモジモジした才菜がいた。 その感じでいられるとこっちも恥ずかしくなるので、やめて欲しい。
「とりあえず中入って」
何とも言えない空気から逃げるようにとりあえず部屋に案内した。
部屋に案内する為、2階に上ると 部活で居ないはずの中学1年生の妹の真純がお盆にイカのおつまみとジュースという不思議な組み合わせを乗せて、部屋に入ろうとしていた所で目があった。
「真純、部活はどうした?」
「顧問の先生の急な出張で、早めに終わったの。 それよりお二人さん、今から何するつもり?」
「「何も(ねーよ)(ないよ)‼」」
二人で思いっきり突っ込んだ。
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